昭和31年編
夕刊の小さき訃報に
♪ああ 哀愁の街に霧が降る
と口遊(くちずさ)む
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山田 真二さん(やまだ・しんじ=元俳優、元歌手、本名山田常高=やまだ・つねたか)が10月15日、間質性肺炎で死去、70歳。葬儀は親族で済ませた。映画「三四郎」などに出演し、「娘が口笛吹く時は」で1959年のNHK紅白歌合戦にも出場した。
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山田真二は東宝の二枚目映画俳優であったが、同時に歌手でもあった。印象に残るのは「哀愁の街に霧が降る」のヒット曲である。作詞・佐伯孝夫、作曲・吉田正の鉄壁コンビの1956年(昭和31)の作品。
昭和31年の経済白書では「もはや戦後ではない」と記されている。敗戦の傷跡も癒え、ようやく日本株式会社が高度成長の軌道に乗り出したころだろうか。
同年のヒット歌謡曲には、
三橋美智也の「リンゴ村から」「哀愁列車」
島倉千代子の「逢いたいなァあの人に」「東京の人さようなら」
曽根史郎の「若いお巡りさん」
大津美子の「ここに幸あり」
美空ひばりの「波止場だよお父つぁん」
鈴木三重子の「愛ちゃんはお嫁に」
コロムビア・ローズの「どうせひろった恋だもの」
三浦光一の「東京の人」
などがある。
球音は個人的に「哀愁列車」(作詞・横井弘、作曲・鎌多俊與)の一番の歌詞
旅をせかせる ベルの音
未練心に つまずいて
と、いう2つのフレーズにしびれるのだ。
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