2012年2月25日土曜日

白戸家お父さんの「青い山脈」

カイくんとトリンドル“タダ”がサイクリング
実にどうでもいい話だが……(ポリポリ)。
チャリンコに乗った白いイヌが歌う(ハミング)CMが気に入っている。
白いイヌは白戸家のお父さん(カイくん)で、伴走するのは留学生のタダちゃん(トリンドル怜奈)。数々の人気CMを生んだソフトバンクの新作である。


 
あの歌はまさしく昭和の名曲「青い山脈」。
藤山一郎さんが正確な歌唱で歌っていたっけ。
♪若く明るい 歌声に
雪崩は消える 花も咲く
作詞は西條八十、作曲は服部良一の大御所コンビと、ヒット曲になるべくしてなった感がする。

「青い山脈」は、石坂洋次郎さん(1900年―1986年)の戦後間もないころの男女交際を描いた青春小説で1947年(昭和22年)朝日新聞に連載されたそうな。

 1949年に原節子の島崎雪子(先生)、生徒の寺沢新子に杉葉子のキャストで東宝が映画化し、大ヒットした。監督は今井正。

 以後も何度か映画化されましたが、私が印象に残っているのは、1963年の日活版。西河克己監督。
ちなみにキャストは、
・寺沢新子:吉永小百合
・金谷六助:浜田光夫
・富永安吉:高橋英樹
・島崎雪子:芦川いづみ
・沼田玉雄:二谷英明
 小百合さんが若くハツラツとしていた。

 ところで、白戸家の新参者の留学生のタダちゃん。ハワイ出身と自己紹介していますが、鳥取県の「はわい」だそうな。羽合町(はわいちょう)は県の中央付近に位置し羽合温泉が有名とか。
 トリンドル怜奈のセーラー服姿が愛らしい。
 実にどうも、どうでもいい話で……(ペコリ)。

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2012年2月23日木曜日

丸山明宏の「ヨイトマケの唄」

「ヨイっと巻け」が語源だそうな。
旧聞で恐縮だが、NHKの「ブラタモリ」のこと。16日の放送。
番組で「江戸の運河」を扱っていた。
徳川家康が江戸の物流のために築いた小名木川を探訪していた。
古地図に残る「六間掘」の痕跡をたどって住宅地をぶらぶらしていたタモリ一行に、主婦が「このあたりは終戦後がれきの置き場所として埋め立てられ、『ヨイトマケの唄』を歌って工事していた」と、語っていた。

ふーん、あれだな。聴いたことある唄に、懐かしさに誘われた。


――父ちゃんのためなら、エンヤコラ 母ちゃんのためなら、エンヤコラ もひとつおまけに、エンヤコラ
♪今も聞える ヨイトマケの唄
今も聞える あの子守唄

美輪明宏が丸山明宏時代に作詞作曲した「ヨイトマケの唄」だ。1964年(昭和39年)の作品で、歌詞に「土方(どかた)」という差別語がりテレビでは敬遠されたが、かなりヒットした曲である。土木作業の日雇い労務者の母親を歌っているが、このヨイトマケの光景は私の生まれ育った川崎では昭和30年初頭まで見られた。
工事現場で歌っていたっけ。
聴いていると、即興で歌い、なにやら卑猥なフレーズも出てきたりもした。

「ヨイトマケ」とは、地固めする際、重い槌(つち)を数人がかりで滑車を上下するときの掛け声で、滑車の綱を引っ張るときに「ヨイっと巻け」と言い合ったことが語源だそうな。それが転じて、その労働者をさす言葉となった。
ヨイトマケの多くは女性で、稼ぎの少ない夫を助けたり、夫に先立たれ家族を養う妻の仕事でもあった。

美輪明宏と改名したのは1971年だった。1957年シャンソンの「メケメケ」でヒットし、その女より美しい容姿で注目を浴びた。
ハイヒールにマンボズボン姿に、ガキのころなんと軟弱な野郎と思っていました(笑)。さすがに「非国民」なんて言葉は戦後生まれだから使わなかったけど、ね。

 
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2012年2月18日土曜日

作家と万年筆展:神奈川近代文学館

弘法は筆を選ばず。そして作家は万年筆を選ぶ。
 「作家と万年筆展」(2012114日~226日)を横浜・山手、港の見える丘公園内の神奈川近代文学館で観る。 明治の文豪、夏目漱石から現在活躍中の浅田次郎や伊集院静に至るまで商売道具である愛用の万年筆と、その自筆原稿を展示している。


本展構成
・第1部:名作を生んだ万年筆たち―夏目漱石から井上ひさしまで
・第2部:手書きの魔力―現在の作家と万年筆

弘法筆を選ばず――というが、作家は万年筆を選ぶ。

――そりゃあ万年筆というのは、男が外へ出て持っている場合は、それは男の武器だからねえ。刀のようなものだからねえ……池波正太郎「男の作法」から
大小の拵(こしら)えは武士のたしなみ、いや命に匹敵するもの。そんな考えを持って、池波さんは「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」などの人気シリーズを書いたのだろうか。男らしい自由闊達な筆致の「鬼平」の自筆原稿が展示されていた。
実にのびのびした、いい筆運びなだなぁ。
ちなみに池波さんの拵えは、「国産手作り万年筆」でした。

展示のあった主な作家と万年筆
・夏目漱石:「オノト」と知られるイギリスのデ・ラ・ルー社製万年筆
・大佛次郎:モンブラン・マイスターシュテュック74
・江戸川乱歩:パイロット・RT170F53R
・井上ひさし:ペリカンM450

 私事ながら還暦の祝いで2人の娘に贈られた万年筆は、「モンブラン・マイスターシュテュック149」。分不相応な高級品である。

 ワープロソフトを用いてパソコン入力する作家が多いなか、万年筆で原稿を書く伊集院静さんが同タイプを愛用していることを初めて知った。
 伊集院さんの字は、男でも惚れそうくらいに流麗だったなぁ。

 下手くそでもいい。己らしい字を書きたい。そして筆まめになりたい。そんな気持ちにさせられる展示であった。
2012216日観覧

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2012年2月11日土曜日

細見美術館展PartⅠ:そごう美術館

若冲コレクションはPartⅡ開催に期待
 「京都 細見美術館展PartⅠ都の遊び・王朝の美―美を愛でる、京を知る―」(201224日~320日)を横浜駅東口そごう美術館で観る。歌仙絵や物語絵、祭礼・遊楽図屏風、調度品のほか、俵屋宗達、円山応挙、伊藤若冲から近代の神坂雪佳にいたる京の絵師の絵画など、京都にまつわる作品約80点を展示している。PartⅡ「琳派・若冲と雅の世界」が5月末から開催される。

×  ×  ×

お目当ては若冲である。
2000年の京都国立博物館での没後200年の展覧会で若冲ブームが起ったとか。
わたしは米国人のジョー・プライス氏のコレクションをテレビで観て、その絵の訴える迫力というかオーラにすっかり魅せられた。
2010年の千葉市美術館での水墨画を中心とした「伊藤若冲アナザーワールド」も観に行った。昨年NHKBSプレミアムで放送された嵐の大野智がナビゲーターを務めた「若冲ミラクルワールド」も観て、ますますハマった。

若冲の優品で知られる細見美術館展である。
今回2点展示されている。
「伏見人形図」がカワユイ。お坊さんがゆるキャラのようで、ほのぼの雰囲気。晩年の作だそうだ。癒されます。
期待の大きさに比べ、2点は正直物足りないが、5月末から開催されるPartⅡで細見美術館の若冲コレクションが披露されそうなので、それまで待つことにしよう。

本展構成
1:王朝の雅―和歌と物語―
2:都の四季―遊びと飾り―
3:京の絵師―若冲から雪佳まで―

・神坂雪佳(かみさか・せっか):1866年(慶応2年)~1942年(昭和17年) 明治から昭和にかけて絵画と工芸の分野で活躍。琳派の影響を受ける。
201229日観覧

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2012年2月7日火曜日

平清盛展:江戸東京博物館

信長の400年前、龍馬の700年前、今から900年前の日本の覇者
今から900年前、貴族政治が衰退し初めて武士の世を作り上げた時代の挑戦者・平清盛を描くNHK大河ドラマが始まった。その清盛の時代を理解しテレビ視聴をより楽しむため、「平清盛展」を東京・両国の江戸東京博物館(201212日~25日)で観る。

世界遺産・厳島神社に伝わる至宝や、平安末期の美術品・工芸品など国宝、重要文化財を含む約120点が展示されている。
 
 

本展構成
・第1章:平氏隆盛の足跡
・第2章:清盛をめぐる人々
・第3章:平氏の守り神―厳島神社
・第4章:平氏の時代と新たな文化
・第5章:平家物語の世界

大河ドラマ「平清盛」(松山ケンイチ主演)の視聴率は、まだ序盤ながら20%に届かず低迷中とか。どこぞの県知事が「画面が汚い」とのクレームもあった。

坂本龍馬や西行隆盛らの幕末ものの「龍馬伝」や、信長、秀吉、家康ら戦国武将が登場した「江」などと比べ、平安時代というのは馴染みがないからだろうか。

信長から400年前、龍馬からは700年前、そして今から900年前。日本の覇者となった武士(もののふ)のドラマ、本展を観ながら、歴史を知れば必ずや面白くなってくる(と思いましたぞ)。


×  ×  ×

「棟梁」(とうりょう)という言葉がドラマにしばしば登場する。平氏の棟梁、忠盛――なんて。
江戸時代になって「大工(でえく)の棟梁」なんて使われたが、その語源。
・棟梁(とうりょう)
 棟(むね)と梁(はり)。棟は、屋根の最も高いところ。梁は、屋根を支える両側の支柱に架け渡す横木。建物の構造から重要な構造を譬えに用いた言葉。組織・仕事を束ねる中心人物。
 
また、ドラマをより味わうために、清盛が造営に腐心した海に浮かぶ荘厳な「厳島神社」や「平家納経」、「日宋貿易」などキーワードをきっちり理解したいですな。
2012年2月2日観覧

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2012年2月4日土曜日

津本陽「塚原卜伝 十ニ番勝負」

*剣聖と老け役のつながりとは……。
津本陽の「塚原卜伝 十ニ番勝負」(PHP文庫)を読む。


剣聖・塚原卜伝の「卜」という字に興味を持ったのは、ガキのころだった。左卜全(ひだり・ぼくぜん)というとぼけた味のある名脇役がいた。晩年には「老人と子供のポルカ」なんて歌がヒットした。カタカナの「ト」がどうして「ぼく」と読むのか不思議だった。

漢字「卜」は、音読み「ぼく」で訓読みは「うらなう」。
デジタル大辞泉には、
1亀の甲を用いて吉凶を判断すること。一般に「うらない」。「うらなう」。
2選び定める。
とある。
 
卜伝も卜全も、同じ意味合いで名付けられたのだろう。
さしずめ卜伝はバカに腕が立つ三船敏郎あたりの役どころだが、飄々とした老け役の左卜全とは、イメージが違いすぎるのだ。

卜伝と卜全――ガキのころの疑問を、読むうちにふと思い出した。


若年にして鹿島古流の太刀を会得した塚原新右衛門は17歳で武者修行の旅に出て、剣技を磨く。生涯3度の諸国遍歴を行い、19度の真剣勝負、39度の合戦、剣士212人を倒し、無敗を貫いた。鹿島神宮に千日間の参籠し「一つの太刀」と呼ばれる一撃必殺の神技を身に付けた。新右衛門から卜伝と名を改め剣聖に至るまでの波乱万丈の死闘・名勝負十ニ番を描く。

目次
・第一番 捨て身の一撃
・第二番 海内無双の剣
・第三番 廃墟の鬼
・第四番 一拍子の太刀
・第五番 闇中の剣士
・第六番 石割りの太刀
・第七番 一つの太刀
・第八番 飯綱使い
・第九番 邪剣の主
・第十番 抜け穴の敵
・第十一番 春宵弧鷺の太刀
・第十ニ番 晩花繚乱
201221日読了

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2012年2月2日木曜日

佐藤義清は世を捨て西行となった

女の坊主がプロになるとアマ(尼)になる――
 そして、北面の武士、佐藤義清(さとうのりきよ)は出家して西行となった。

NHK大河ドラマ「平清盛」に佐藤義清(藤木直人)が清盛(松山ケンイチ)の同僚で登場している。ともに鳥羽上皇に仕え警護にあたる北面の武士。
った。ょうどうに才能北面の義清は流鏑馬(やぶさめ)、蹴鞠(けまり)、和歌に優れ文武両道のエリートだった。
 
 

 ドラマの設定では、白河院の愛妾にして鳥羽院の中宮、待賢門院・璋子(檀れい)に道ならぬ恋心を抱き、出世を捨て出家し西行と名乗り、後世に「漂泊の歌人」と謳われた。

 西行の出家の原因は諸説あるそうな。待賢門院への失恋もそのひとつだが、友人の急死により無常を感じたという説とか、本当のところは判っていない。
「奇兵隊」を組織した幕末の志士、高杉晋作は西行をもじって「東行」と号した。
――以上、簡単メモランダム。


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