悪魔の証明 / 深作欣二×千葉真一「魔界転生」

＊「悪魔の証明」＿＿証明が非常に困難なものごとを表す比喩表現。森友学園100万円寄付の件、お金を渡してないという昭恵夫人側に物的証拠がない。刑事ドラマでも「やってない（いなかった）」というのはアリバイ成立しないからね。でもね、一度は公の場で語らないと収拾がつかないよね。
「魔界」=悪魔の住む世界。「転生」=生まれかわること。    ×    ×



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深作欣二監督×千葉真一主演の映画「魔界転生」1981年を観る。
原作：山田風太郎「おぼろ忍法帖」
脚本：野上龍雄、石川孝人、深作欣二
製作：角川春樹事務所、東映

出  演
・千葉真一：柳生十兵衛光厳
・沢田研二：天草四郎時貞
・佳那晃子：細川ガラシャ
・緒形拳：宮本武蔵
・室田日出男：宝蔵院胤舜
・真田広之：伊賀の霧丸
・丹波哲郎：村正
・若山富三郎：柳生但馬守宗矩
・松橋登：徳川家継
・成田三樹夫：松平伊豆守
・久保菜穂子：矢島局
・神崎愛：おつう

寛永15年（1638年）徳川幕府のキリシタン弾圧に端を発した島原の乱は、壮絶な死闘の末、鎮圧され信者は皆殺しにあった。一揆の首領天草四郎時貞はその首を晒されたが、雷鳴ともに魔界の力を借りて蘇った。時貞は、無念のうちに死んだ細川ガラシャ、宮本武蔵、宝蔵院胤舜、伊賀の霧丸を転生させ魔界衆を集い幕府転覆の謀る。

伝奇小説の映画化。歴史好きも十分愉しめる。
柳生十兵衛の千葉真一と伊賀の霧丸の真田広之のシャープな動き、柳生宗矩の若山富三郎の軽快で芸術的な殺陣に魅せられる。
細川ガラシャの佳那晃子の裸身がまぶしい。妖艶さが漂う。30年数年前、脱ぎっぷりのいい女優さんで有名でしたよね。

拙ブログ「深作欣二」関連
・「柳生一族の陰謀」1978年 萬屋錦之介 千葉真一 松方弘樹 西郷輝彦 大原麗子
・「仁義なき戦い 広島死闘篇」1973年 菅原文太 北大路欣也 千葉真一 梶芽衣子
・「仁義なき戦い」1973年 菅原文太 松方弘樹 金子信雄 梅宮辰夫 中村英子

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2017年3月27日観映 ＃223
映劇の芸

忖度 / 追悼 渡瀬恒彦さん「影の軍団 服部半蔵」

＊「忖度」は森友学園で「ドンタク」は博多＿＿「忖度（そんたく）＝相手の気持ちをおしはかること。「ドンタク」＝オランダ語のzondag（安息日、休日）から。そして「洗濯」はおばあさんが川で……どうでもいいちゃいい話でした f^_^;)    ×    ×  



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訃報＝渡瀬恒彦さん 72歳 俳優 映画「時代屋の女房」「セーラー服と機関銃」「影の軍団 服部半蔵」「戦国自衛隊」「仁義なき戦い」ドラマ「十津川警部」「おみやさん」2017/03/14

渡瀬恒彦主演の映画「影の軍団 服部半蔵」1980年を観る。
監督：工藤栄一
脚本：高田宏治、志村正浩、山田隆之
配給：東映

出  演
・渡瀬恒彦：下の服部半蔵
・西郷輝彦：上の服部半蔵
・森下愛子：千里（四郎兵衛の娘）
・原田エミ：小萩（下の半蔵の妹）
・緒形拳：甲賀四郎兵衛
・成田三樹夫：松平伊豆守信綱
・山村聰：保科正之
・金子信雄：水戸光圀
・藤田まこと：先代上の半蔵
・三浦洋一 / 中島ゆたか / 蟹江敬三 /

慶安4年（1651年）徳川三代将軍家光が急死し、その息である家継が後継となり、幼い家継の後見を会津藩主の保科正之が勤めることになった。老中筆頭の松平伊豆守信綱は権力維持を図り保科正之と対立を深め、その影で甲賀忍者を擁していた。
一方、伊賀の服部家は二つに分かれ、上の半蔵は正体を隠し世人に紛れ、下の半蔵は草として盗賊を生業としていた。

あの服部半蔵が二人いたという設定で描かれた娯楽時代劇。史実がどうだ、アメフトのようなバトルはなんだといわず楽に愉しみましょう。

アウトローな感じの下の半蔵を渡瀬恒彦が好演している。
・「セーラー服と機関銃」1981年 相米慎二監督 赤川次郎原作 薬師丸ひろ子 渡瀬恒彦 風祭ゆき
・「戦国自衛隊」1997年 斎藤光正監督 千葉真一 渡瀬恒彦 夏八木勲
・「仁義なき戦い」1973年 深作欣二監督 菅原文太 松方弘樹 梅宮辰夫 渡瀬恒彦

森下愛子といえば吉田拓郎の奥さんだが、見事な肢体を見せている。当時二十代前半かな。

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2017年3月26日観映 ＃222
映劇の芸

孫の卒園 / 西田敏行「釣りバカ日誌2」

＊孫が保育園を卒園する。生後6ヶ月から通った園となれば、短い人生の大半を過ごした場所だ。6歳の身にも思い出は多かろう。4月からはピッカピカの小学1年生。正直、ランドセルを背負う孫を見られるとは思わなかった私も感慨ひとしおだ。    ×    ×  



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西田敏行主演の映画「釣りバカ日誌2」1989年を観る。
・監督；栗山富夫
・原作；やまさき十三（作）北見けんいち（画）
・脚本；山田洋次、堀本卓
・配給；松竹

出  演
・西田敏行：浜崎伝助
・三國連太郎；鈴木一之助（鈴木建設社長）
・原田美枝子：間宮弥生
・石田えり；浜崎みち子（ハマちゃんの妻）
・谷啓；佐々木和男（営業三課課長）
・アパッチけん：太田八郎（ハマちゃんの隣人）
・丹阿弥谷津子：鈴木久江（一之助の妻）
・笹野高史：前原（運転手）
・戸川純：恵（営業三課）
・内藤武敏：吉田建設社長
・久米明：竹田医師
・園田裕久：草森秘書

周囲には内緒だが、ハマちゃん浜崎伝助とスーさん鈴木建設社長の鈴木一之助とは釣り仲間である。
ある日、健康不安と後継問題に悩むスーさんは釣り道具を抱えあてのない旅に出る。夫の行方を捜してほしいとスーさんの妻の久江に頼まれたハマちゃんは、愛知県渥美半島に当たりをつけ捜して出向く。すると、高級ホテルで美しい女性と一緒にいるスーさんを見つける……。

2作目ということで西田敏行と三國連太郎のコンビの呼吸もピッタシです。
・「釣りバカ日誌」 1988年 栗山富夫監督 西田敏行 三國連太郎 石田えり

『便所の100ワット』ってあだ名がついた奴がいた。なぜ？ 不必要な明るさ＿＿なんだそうだ。でもね、ハマちゃんは周囲を明るく和ませる存在だ。『リビングのシャンデリア』なんですな。比喩が下手すぎ!? どうもスイマセン f^_^;)

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2017年3月24日観映 #221
映劇の芸

筒香嘉智 / 月形龍之介「水戸黄門 天下の副将軍」

＊WBC侍ジャパンの不動の4番といえば筒香嘉智選手（DeNA）だ。誰かに似ている。ずっと思いを巡らしていた。やっとぶち当たった。ワハハ本舗の佐藤正宏だ。
だから？ ま、どうでもいいちゃいい話だ f^_^;)    ×    ×  



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月形龍之介主演の映画「水戸黄門 天下の副将軍」1959年を観る。
監督：松田定次
脚本：小国英雄
配給：東映

出  演
・月形龍之介：水戸光圀
・中村錦之助：松平頼常（高松藩藩主）
・東千代之介：佐々木助三郎
・里見浩太朗：渥美格之進
・大川橋蔵：伊之吉
・大河内伝次郎：大川原伝兵衛（水戸家御用人）
・美空ひばり：鞆江（頼常の腰元）
・丘さとみ：おはる
・若山富三郎：徳川綱吉
・進藤英太郎 / 山形勲 / 加賀邦男 / 三島雅夫 / 杉狂児 /

江戸神田の丹前風呂に世情視察に出向いた水戸黄門は、大阪商人風の旦那から我が子の高松藩主頼常が狂気だという噂があると聞いた。真相を確かめるべく黄門は、助さん格さん、側用人をともに東海道を下った。

スピーディなストリー展開に、チャンバラあり、恋あり、笑いあり、歌ありと飽きさせない。戦前からの剣豪スター月形龍之介と大河内伝次郎、当時売り出しの中村錦之助と大川橋蔵、さらに美空ひばりが登場して歌う、サービス満載、東映時代劇全盛時の娯楽映画であります。

拙ブログ「月形龍之介」「大河内伝次郎」関連
・「姿三四郎」1943年 黒澤明監督 藤田進 月形龍之介 大河内伝次郎 轟夕起子
・「続 姿三四郎」1945年 黒澤明監督 藤田進 月形龍之介 河野秋武 轟夕起子
・「血槍富士」1955年 内田吐夢監督 片岡千恵蔵 加東大介 片岡栄二郎 月形龍之介
・「わが青春に悔いなし」1946年 黒澤明監督 原節子 大河内伝次郎  藤田進
・「丹下左膳 百萬両の壺」1935年 山中貞雄監督 大河内伝次郎 沢村国太郎

ガキのころ観た。江戸っ子の板前風の男、大川橋蔵が料理に鼻くそを入れるシーンを妙に覚えていた（笑）。

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2017年3月21日観映 ＃220
映劇の芸

追悼 渡瀬恒彦さん「セーラー服と機関銃」1981

♪ さよならは別れの言葉じゃなくて
   再び逢うまでの  遠い約束  
薬師丸ひろ子デビュー曲「セーラー服と機関銃」 / 来生えつこ作詞 / 来生たかお作曲 /
訃報＝渡瀬恒彦さん 72歳 俳優 映画「時代屋の女房」「セーラー服と機関銃」「戦国自衛隊」「仁義なき戦い」ドラマ「十津川警部」「おみやさん」2017/03/14     ×     ×  




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渡瀬恒彦さんを偲び薬師丸ひろ子主演の映画「セーラー服と機関銃」1981年を観る。
監督：相米慎二
原作：赤川次郎
脚本：田中陽造
製作：角川映画
配給：東映

出  演
・薬師丸ひろ子：星泉
・渡瀬恒彦：佐久間真
・風祭ゆき；三大寺マユミ
・大門正明：マサ（目高組トリオ）
・林家しん平；ヒコ（目高組トリオ）
・酒井敏也：メイ（目高組トリオ）
・柳沢慎吾；智生（高校生トリオ）
・岡竜也：哲夫（高校生トリオ）
・光石研：周平（高校生トリオ）
・柄本明：黒木刑事
・佐藤允：松の木組組長・関根
・北村和夫：浜口物産社長・浜口
・三國連太郎；太っちょ（三大寺一）
・寺田農 / 藤原釜足 / 円広志 /

遠い血縁関係にあるヤクザの親分が死に、遺言により跡目に継いたフツーの女子高生が、4人の子分とともに対立する組織に立ち向かう＿＿。

渡瀬恒彦さんは女子高生の組長 薬師丸ひろ子を支える代貸役でした。夏目雅子と共演した「時代屋の女房」（1983年 森崎東監督）が個人的には代表作と思います。心優しい骨董店の店主を演っていました。ドラマ「おみやさん」の刑事とどこか役柄のキャラが繋がる感じがしていました。
・「戦国自衛隊」1997年 斎藤光正監督 千葉真一 渡瀬恒彦 夏八木勲
・「仁義なき戦い」1973年 深作欣二監督 菅原文太 松方弘樹 梅宮辰夫 渡瀬恒彦

渡瀬恒彦さんといえば、渡哲也さんです。
「幼少期より今日までの二人の生い立ちや 同じ俳優として過ごした日々が思い返され その情景が断ち切れず 辛さが募るばかりです」＿＿兄・渡哲也さんがマスコミに出した直筆コメントが切ない。決して達筆とはいえないが、実直さがうかがえる文字で綴られていました。

主演は薬師丸ひろ子です。少女から女へ成長する過程を好演し、人気を決定づけた作品です。
台詞が印象に残ります。
麻薬を水に溶かしたローションの瓶を機関銃でぶっ放しあと、呟いた「カイ・カン」が有名になりましたっけ。
最後のシーン。死んだ佐久間の遺体に口ずけする泉。そのときの台詞ー「初めてのキスを中年のオジンに捧げた私は、愚（おろ）かな女になりそうです」。
・「探偵物語」1983年 根岸吉太郎監督 赤川次郎原作 薬師丸ひろ子 松田優作

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2017年3月17日観映 ＃219
映劇の芸

WBC菊池 超美技 / 西田敏行ハマちゃん「釣りバカ日誌」1作

＊WBC2次ラウンド日本ーオランダ戦(2017/03/12)の視聴率は25.2％と関心を呼んだ。4時間46分 8~6の死闘を制した日本。見せ場は多々あるが、なんといっても菊池涼介の超美技。シビれたぜ。投手の足元を抜ける打球に飛び込んで好捕（これだけでも凄い）さらにバックトスで二封＿＿なかなかお目にかからないプレーだな。
キューバ戦もオーストラリア戦も中国戦もテレビにかじりついて観た。代表戦はサッカーも同様で力が入る。トランプさんみたいな過激ナショナリズムの世界台頭は憂えるけど、スポーツは別もん。侍ジャパンよ世界制覇を!    ×     ×



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WBCとは縁もゆかりもない西田敏行主演の映画「釣りバカ日誌」第1作1988年を観る。
・監督；栗山富夫
・原作；やまさき十三（作）北見けんいち（画）
・脚本；山田洋次、桃井章
・配給；松竹

出  演
・西田敏行：浜崎伝助
・三國連太郎：鈴木一之助（鈴木建設社長）
・石田えり：浜崎みち子（伝助の妻）
・谷啓：佐々木和男（営業三課課長）
・前田武彦：秋山（専務）
・笹野高史：前原（運転手）
・丹阿弥谷津子：鈴木久江（一之助の妻）
・戸川純：恵（営業三課）
・山瀬まみ：久美子（営業三課）
・江戸家猫八 / 名古屋章 / 鈴木ヒロミツ / 大塚国夫 /

釣り大好きな浜崎伝助は鈴木建設四国支社高松営業所の社員だが、仕事はほどほどに釣り三昧の日々を過ごしていた。ところが、人事部コンピューターの入力ミスで東京本社への転勤が命じられる。 不承不承、ハマちゃんは北品川の釣り宿の向かいのマンションに愛妻のみち子と引っ越す。そんなある日の昼、社長の鈴木一之助と偶然知り合い、お互いの素性を知らないまま釣りに行く約束を交わした。
ハマちゃんとスーさんの出会いと友情を描く。

渥美清が亡くなったあと松竹の看板映画となったわけだし、シリーズは全22作も撮っているのに恥ずかしながら初めて観た。おもしろい。西田敏行のゆるいハマちゃんキャラに心安らぐ。

拙ブログ「西田敏行」関連
・「ステキな金縛り」 2011年 三谷幸喜監督 深津絵里 西田敏行 中井貴一 阿部寛 竹内結子
・「ザ・マジックアワー」 2008年 三谷幸喜監督 佐藤浩市 妻夫木聡 深津絵里 西田敏行 綾瀬はるか

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2017年3月13日観映 ＃218
映劇の芸

パク大統領失職 / 深作欣二×萬屋錦之介「柳生一族の陰謀」

＊韓国の朴槿恵（パククネ）大統領が憲法裁判所から罷免を宣告され、失職した 2017/03/10＿＿60日以内に大統領選があり後継が決まる。韓国世論では慰安婦問題の日韓合意見直しの声が高い。それってどうだい。前の施政者が決めたことだからって、国同士の約束を短絡的に破っちゃっていいのかい。ダメな御仁を選んだのは誰だい？     ×    ×  



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深作欣二監督×萬屋錦之介主演の映画「柳生一族の陰謀」1978年を観る。
・監督；深作欣二
・脚本：野上龍雄、松田寛夫、深作欣二
・配給：東映

出  演
・萬屋錦之介：柳生但馬守宗矩
・千葉真一：柳生十兵衛
・松方弘樹：徳川家光
・西郷輝彦：徳川忠長
・大原麗子：出雲の阿国
・志穂美悦子：柳生茜
・三船敏郎：尾張大納言義直
・山田五十鈴：江（崇源院）
・中原早苗 : 春日局
・高橋悦史 : 松平伊豆守信綱
・芦田伸介；土井利勝
・丹波哲郎：小笠原玄信斎
・成田三樹夫：烏丸少将文麿
・室田日出男：根来左源太
・真田広之；ハヤテ
・浅野真弓：マン
・原田芳雄：名護屋山三郎
・夏八木勲 / 中谷一郎 / 金子信雄 / 工藤堅太郎 / 梅津栄 /

元和9年5月11日（1623年）、二代将軍徳川秀忠は江戸城大奥で急死した。発病から2時間。憶測の流れるなか、御典医は食あたりに因るものと発表した。三代将軍の座は長男である家光が継ぐのが習わしだが、顔のあざとどもりの性癖があり秀忠に疎まれて、母は江（崇源院）も聡明と評判の次男の忠長を将軍に望んでいた。その忠長を擁するのは尾張・紀伊・水戸の御三家と土井利勝らの老臣たちだった。一方、あくまで家光で譲らないのは、若手老中の松平伊豆守信綱と乳母で大奥で権勢をふるう春日局であった。世継争いが安定しかけた天下に不穏な影を落としていた……。

歴史上の人物の史実とフィクションをに織り交ぜたストーリー。《春日局・家光vs江・忠長》のバトルは何度も映画やドラマで題材にされているが、過激に娯楽性豊かに描かれている。

家光を擁し一族の安泰を画策する柳生但馬守宗矩で、萬屋錦之介が冷酷さを醸し出している。台詞回しがはじめ大げさに聞こえたが、慣れるにつれ違和感がなくなった。1960年代の東映時代劇全盛期の演技とひと味もふた味も違う円熟さを感じます。

千葉真一の柳生十兵衛にピッタシ。以来当たり役になりました。志穂美悦子の身体の切れはほれぼれします。成田三樹夫の公家の剣豪に凄みがあります。

拙ブログ「深作欣二」関連
・「仁義なき戦い」1973年 菅原文太 松方弘樹 金子信雄 梅宮辰夫
・「仁義なき戦い 広島死闘篇」1973年 菅原文太 北大路欣也 千葉真一 梶芽衣子

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2017年3月8日観映 ＃217
映劇の芸

浅丘ルリ子リリー初登場「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」11作

＊物の始まりが一ならば、国の始まりは大和の国、島の始まりは淡路島。泥棒の始まりが石川五右衛門なら、助平の始まりはこのオジサンってえの＿＿「男はつらいよ」シリーズ全48作でマドンナ役を最多の4回演じたのが浅丘ルリ子のリリーさんだ。その嚆矢なんですね、この作品は。   ×    ×  



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山田洋次監督× 渥美清主演の映画「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」1973年を観る。
・監督：山田洋次
・脚本：山田洋次、宮崎晃、朝間義隆
・原作：山田洋次
・音楽：山本直純
・配給：松竹

出  演
・渥美清：車寅次郎
・浅丘ルリ子：リリー松岡
・倍賞千恵子：さくら
・笠智衆：御前様
・松村達雄：車竜造
・前田吟：諏訪博
・三崎千恵子：車つね
・織本順吉：玉木（酪農家）
・毒蝮三太夫：石田良吉（寿司屋の板前）
・吉田義夫：吾作（夢のシーン）
・太宰久雄（タコ社長）/  佐藤蛾次郎（源公）/ 利根はるみ（リリーの母）/

柴又のとらや。寅、さくらの父の二十七回忌当日。おいちゃん、おばちゃん、さくら、博が集まり、御前様が経をあげている最中、寅が旅から久しぶりに戻ってきた。だが、寅の登場で法事はめちゃくちゃになってしまった。
11作は北海道網走で出逢った旅まわりの薄幸のキャバレー歌手リリーと寅さんのラブエピソード。

リリー4部怍「男はつらいよ」
・「寅次郎忘れな草」11作 1973年
・「寅次郎相合い傘」15作 1975年
・「寅次郎ハイビスカスの花」25作 1980年
・「寅次郎紅の花」48作 1995年

息子の満男にピアノを買ってやりたいさくら。「なんだよ、ピアノぐらい買ってやらぁ」と寅さんが買ってきたのが玩具のピアノ。欲しいの本物と言えない周囲の気遣いがくすぐるよね ^_^）

恵まれた環境ではないが強く素直なリリーを浅丘ルリ子が好演しています。懐かしい「港の見える丘」を歌っていました。
「あたしたちって あってもなくても いいみたいな つまり あぶくみたいなもんだよね」リリーが寅さんに語る台詞が耳に残りました。

拙ブログ「山田洋次」関連
・「男はつらいよ」1969年 渥美清 倍賞千恵子 光本幸子
・「続・男はつらいよ」1969年 渥美清 倍賞千恵子 佐藤オリエ
・「男はつらいよ 寅次郎紅の花」1995年 渥美清 浅丘ルリ子 倍賞千恵子 吉岡秀隆
・「幸福の黄色いハンカチ」1977年 高倉健 倍賞千恵子 武田鉄矢
・「キネマの天地」1986年 中井貴一 有森也実 渥美清
・「たそがれ清兵衛」2002年 真田広之 宮沢りえ
・「隠し剣 鬼の爪」2004年 永瀬正敏 松たか子 吉岡秀隆
・「おとうと」2010年 吉永小百合 笑福亭鶴瓶 蒼井優
・「東京家族」2013年 橋爪功 吉行和子 妻夫木聡 蒼井優
・「小さいおうち」2014年 松たか子 黒木華
・渥美清 柴又帝釈天 2010/06/05

拙ブログ「浅丘ルリ子」関連
・「鷲と鷹」1957年 井上梅次監督 石原裕次郎 三國連太郎 浅丘ルリ子
・「ギターを持った渡り鳥」1959年 齊藤武市監督 小林旭 浅丘ルリ子 宍戸錠

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2017年3月6日観映 ＃216
映劇の芸

ムッシュかまやつさん forever / 渥美清「男はつらいよ 寅次郎紅の花」最終作

＊ムッシュかまやつさんの訃報からの追想___『三人ひろし』なんて昭和30年代の話だ。かまやつひろし・井上ひろし・水原弘。かまやつさんは一番売れてなかったなぁ。ザ・スパイダース活動の以前のことでした f^_^;)  78歳  歌手「バン・バン・バン」「あの時君は若かった」吉田拓郎作詞作曲の「我が良き友よ」2017/03/01死去。



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ムッシュかまやつさんとは縁もゆかりもない？山田洋次原作監督×渥美清主演の映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花」48作シリーズ最終作を観る。山田洋次・朝間義隆脚本 / 山本直純・山本純ノ介音楽 / 1995年松竹 /

出  演
・渥美清；車寅次郎
・浅丘ルリ子：リリー
・吉岡秀隆：諏訪満男
・後藤久美子：及川泉
・倍賞千恵子：諏訪さくら
・下條正巳：車竜造
・三崎千恵子：車つね
・前田吟：諏訪博
・夏木マリ：及川礼子
・宮川大助；パン屋いしくら店主
・太宰久雄（社長）/ 佐藤蛾次郎（源公）/  宮川花子（パン屋の妻）/
・笹野高史 / 神戸浩 / 犬塚弘 / 桜井センリ / 田中邦衛 / 関敬六 / 前田淳 /
・村山富市：村山富市

神戸淡路大震災のあった1995年のある日、くるまやの面々がテレビをみてると、神戸で復興ボランティアとして活躍している寅の姿が映し出されびっくりする。
一方、寅の甥の満男は、好きな泉に縁談が持ち上がり相談にきたが、素っ気ない態度で接してしまう。泉は結婚を決意するが、挙式の当日、想いが断ちがたい満男が騒動を起こしてしまう。傷心の旅に出た満男は、文無しで奄美大島にたどり着いた……。

渥美清の遺作。公開の翌年1996年8月4日に68歳で亡くなった。病魔に侵されていたのだろう。台詞にハリがない。浅丘ルリ子のリリーはシリーズ4度目の登場。渥美と浅丘の相性はマドンナ中一番です。

神戸浩（かんべ・ひろし）ってなんか気になる存在だな。奄美大島のリリーの隣に住む若者を演じていました。「たそがれ清兵衛」2002年「隠し剣 鬼の爪」2004年など山田洋次監督に起用されています。モッタリした独特の喋りに味わいを感じます。

拙ブログ「山田洋次」関連
・「男はつらいよ」1969年 渥美清 倍賞千恵子 光本幸子
・「続・男はつらいよ」1969年 渥美清 倍賞千恵子 佐藤オリエ
・「幸福の黄色いハンカチ」1977年 高倉健 倍賞千恵子 武田鉄矢
・「キネマの天地」1986年 中井貴一 有森也実 渥美清
・「たそがれ清兵衛」2002年 真田広之 宮沢りえ
・「隠し剣 鬼の爪」2004年 永瀬正敏 松たか子 吉岡秀隆
・「おとうと」2010年 吉永小百合 笑福亭鶴瓶 蒼井優
・「東京家族」2013年 橋爪功 吉行和子 妻夫木聡 蒼井優
・「小さいおうち」2014年 松たか子 黒木華
・渥美清 柴又帝釈天 2010/06/05

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2017年3月4日観映 ＃215
映劇の芸

教育勅語 / 水木襄「忍者部隊月光」

＊「教育勅語」＿＿とうの昔に『死語』だと思っていたが、このところ耳にする。大阪の学校法人 森友学園が運営する塚本幼稚園の園児が唱える映像が流れ、戦前の教育現場に戻ったかのようだ。あたしゃ浅学で原文を一見したが、とてもじゃないが読めやしない f^_^;)
「勅」＝天皇の命令、言葉。みことのり。
「教育勅語」＝日本の教育の基本方針を示した明治天皇の勅語。1890年（明治23）10月30日発布。忠君愛国を国民道徳として強調した。第一回帝国議会の開会直前に発布、学校教育を通じて国民に強制され、天皇制の精神的・道徳的支柱となった。1948年（昭和23）廃止（大辞林第三刷）    ×    ×    



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と言うわけで、「教育勅語」とはまったく関係ない、水木襄主演の映画「忍者部隊月光」を観る。土屋啓之助監督 / 1964年東映 /

出  演
・水木襄：月光
・浅沼創一：新月
・石川竜二：月輪
・山口暁：名月
・森槙子：三日月
・中山昭二：あけぼの機関長・南郷
・明石潮：藤波博士
・八名信夫：バラモン
・小林稔侍：シュナイダー

水爆をはるかに超える威力のあるZスター爆弾が、ブラック国際軍事秘密結社に奪われた。ブラック団は世界制覇を狙う悪の組織。この事態に世界平和を目指す「あけぼの機関」に所属する月光率いる忍者部隊が立ち上がった。

水木襄のちょっと太めの身体が懐かしい。
藤波博士役の明石潮は、あの木下惠介作品「二十四の瞳」の校長先生や「喜びも悲しみも幾歳月」の灯台長でした。
・「二十四の瞳」1954年 木下惠介監督 高峰秀子 佐田啓二 2014/08/05
・「喜びも悲しみも幾歳月」1957年 木下惠介監督 高峰秀子 2014/08/14

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2017年3月2日観映 ＃214
映劇の芸