2011年3月12日土曜日

巨大地震にエレベーターで遭遇

密室の恐怖体験だった。
 いつものように14階の自宅マンションのエレベーターのボタンを押した。上昇する。そのときだ。グラッグラッと横に揺れた。
 コリャなんだ? 地震だ。
 地震がエレベーターに乗っているときに起ったのだ。
 立っていられず側面を両手で押さえた。今度はガクンと縦揺れが来た。ギィーという不気味な音、激しい揺さぶり……ケーブルが切れるかもしれないと本気で思う。切れたら死ぬのだろうな。死が脳裏をかすめる。エレベーター内にはわたし一人だけ。心細い。ガタガタと揺れながら上昇する。
 災害時には自動的に止まる。このまま閉じ込められてしまうかもしれない。
 14階。ドアが開いてくれた。この瞬間を逃せば、閉じ込められるに違いない。飛び込むように降りた。間一髪。セーフ。降りたが、フロアはまだ揺れてまっすぐ歩けない。
 自宅にたどりつき、ドアを開ける。なんとか生還したのだった。

 2011年3月11日午後2時46分。国内観測史上最大のマグニチュード8.8(13日に気象庁はM9.0と修正)という東日本を襲った巨大地震に、わたしはエレベーター内で遭遇した。60余年の人生で最大の激しい地震だった。密室の恐怖体験だった。
(――案の定わたしが降りた直後にエレベーターは止まり、復旧に6時間余かかった)

×  ×  ×

 余震に不安を感じながらテレビを観る。
 津波が押し寄せ、街や田畑を飲み込む。車や家屋を押し流す。おぞましい光景が何度となく映し出される。
 天災の前に人間はなすスベがなく、いかに無力か。被災地の方々が遭う恐怖はいかばかりか。横浜の自宅マンションのエレベーターとはわけが違う。
 被害を最小限度に留めてほしい。祈ることしかできない。

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