日本柔道を破った男、東京オリンピック柔道無差別級の金メダリスト、アントン・ヘーシンクが2010年8月27日に亡くなった。76歳だった。
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その日は1964年(昭和39年)10月23日だった。東京オリンピックで初めて正式種目に加えられた柔道競技の無差別級決勝戦。日本期待の神永昭夫がオランダの強豪アントン・ヘーシンクと対戦した。それまで、日本のお家芸を誇示するような快進撃だった。
・68㌔以下級 中谷雄英・80㌔以下級 岡野功
・80キロ超級 猪熊功
と、3階級で金メダルを獲得していた。全制覇へ世界最強者を決める無差別級を残すのみとなった。
記憶で書かず、YouTubeのダイジェスト映像を観て再現すると――。ヘーシンクが右の支え釣り込み足で神永を投げ体勢を崩し、そのまま横四方固めに移り、抑え込む。ヘーシンクの巨体が上からのしかかる。神永もがくが、袈裟固めの体勢に入る。カウント開始。
抑え込まれた神永が動かなくなった。
ヘーシンクの一本勝ち。金メダルを獲得した。
その瞬間、日本武道館の場内は静まりかけった。テレビ中継を、固唾をのみ観ていた日本国民がこぞって消沈したのだった。
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高校生だった。えらく胸が重苦しくなったのを覚えている。
日本柔道破れたり――だが、映像を観るとヘーシンクの圧勝だった。予選でもヘーシンクは神永に勝っていたんだよね。当時、体力負けのような風潮があったが、実力負けだった。神永は靭帯を痛めていたという後日談があるけど……。
ところで東京オリンピックの思い出は? どんなシーン?
・河西昌枝ら東洋の魔女のバレーボール金メダル。監督は鬼の大松博文。
・遠藤幸雄の体操個人総合金メダル。あん馬の失敗はヒヤヒヤだった(笑)。
・三宅義信の重量挙げフェザー級金メダル。
・アニマル渡辺長武のレスリングフリーフェザー級金メダル
・円谷幸吉のマラソン銅メダル。アベべの五輪連覇。
・陸上競技100㍍のヘイズの疾走、金メダル。
懐かしい場面がよみがえります。
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