サラリーマン出世太閤記の木下秀吉
映画でいえば「社長シリーズ」の森繁久弥社長の秘書、「名もなく貧しく美しく」の高峰秀子と演じた聾唖(ろうあ)者夫婦、「裸の大将」の山下清、テレビドラマでは「牟田刑事官」――喜劇からシリアスな役柄までこなした名優・小林桂樹さんが亡くなった。2010年9月16日。86歳だった。※敬称略
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渋い選択だが、映画「サラリーマン出世太閤記」の木下秀吉役が好きだ。
・サラリーマン出世太閤記 1957年
・続サラリーマン出世太閤記 1957年
・続々サラリーマン出世太閤記 1958年
・サラリーマン出世太閤記 課長一番槍 1959年
・サラリーマン出世太閤記・完結編 花婿部長No1 1960年
とシリーズ5編が製作された。監督はいずれも筧正典で、東宝作品である。
大学の応援部の団長を務める木下秀吉(小林桂樹)は母校の応援に力が入りすぎ、大事な日本自動車の就職面接に遅刻してしまう。それでもなんとか入社にこぎつけるが、配属先は本社ではなく工場勤務だった。工場から這い上がるサラリーマンの奮闘、出世街道を描いている。
秀吉が尊敬する日本自動車の左右田一社長に加東大介、秀吉のライバルで要領のいいサラリーマンに宝田明、食堂の娘エイ子ちゃんに団令子らが出演していた。
面白かった。
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「社長シリーズ」もマンネリストーリーだが、抜群に面白かった。妻に頭が上がらず、浮気癖のある社長は森繁久弥だった。男のスケベー心を演じたら、まずもって森繁の右に出る役者はいない。森繁社長の手綱を締めるのが、超マジメな秘書の小林桂樹だ。「パーとやりましょう」が口癖の宴会部長の三木のり平。それとは対象的に謹厳実直な部長は加東大介だった。
森繁社長と小林桂樹秘書の息はぴったりで、絶妙の間合いだったなぁ。
またひとり昭和の映画黄金期の名優が逝った。
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