2010年6月23日水曜日

浮世絵入門:山種美術館

『東海道五拾三次』が一挙に
 東京駅から京都駅までは、鉄道距離にして513.6km。最速の新幹線のぞみ号に乗れば2時間10分ほどだが、江戸時代は草鞋(わらじ)に手甲脚絆姿で歩いて約2週間かけて旅したという。
 お江戸日本橋から京の街までに設けられた宿駅は53ある。
 浮世絵の歌川(安藤)広重がこの宿駅を描いたシリーズ『東海道五拾三次』は、天保4年(1833年)保永堂から出版された。旅情をかきたてる絵筆の冴えは評判をよび、ベストセラーとなった。

 その53宿駅と振り出しの日本橋、最終の京都・三条大橋まで全55図と画帖装用の題字が一挙に観賞できる展覧会――「浮世絵入門」展(2010年5月29日~7月11日)が東京・広尾の山種美術館で催されている。

 夜の雪景色の「蒲原」や夕立の山中を描いた「庄野」など名作が揃い踏みだ。
 歌川広重のほか鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎の六代絵師の作品が展示されている。
主な作品
・鈴木春信:梅の枝折り/柿の実とり
・鳥居清長:当世遊里美人合 橘妓と若衆
・喜多川歌麿:青楼七小町 鶴屋内 篠原/美人五面相 犬を抱く女
・東洲斎写楽:二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉/三代目坂田半五郎の藤川水右衛門
・葛飾北斎:冨嶽三十六景 凱風快晴

 いずれも名品揃い、眼福にあずかった。

2010年6月22日観覧

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