内藤優美
堂場瞬一の「刑事・鳴沢了シリーズ」の第3弾「熱欲」(中公文庫)を読む。
青山署生活安全課の了は、マルチ商法の詐欺事件の内偵をする――ストーリーは始まる。
鳴沢了が、人生の、人間としての悩みを抱えながら、事件に立ち向かうシリーズだが、そのラブロマンスも一興なのだ。
第1弾の「雪虫」では幼馴染の石川喜美恵、第2弾「破弾」では同僚刑事の小野寺冴とふたりの美人が登場したが、堂場瞬一は第3弾でも読者の期待?に応える。
今度は、アメリカ留学時の親友の妹、内藤優美(ないとう・ゆみ)。小柄のキュートな美人。1度結婚に失敗し、男の子(勇樹)の母でもある。
父親との葛藤、祖父を自殺に追い込んだと思い、また尊敬する先輩を射殺せざるを得なかったトラウマを、これまで頑なに他人に弱みを見せなかった了が、初めて心の悩みを打ち明ける――その相手こそ、優美であった。
優美の兄、七海(ななみ)はニュヨーク市警の刑事で、チャイニーズマフィアも絡むサスペンス内容は読んでのお楽しみ。
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