赤い鶏冠(とさか)の雄鶏が地面の虫をついばみそうだ。
雪が降り、明けた朝。
閑静な庭で、一羽の鶏が懸命に餌探しをしている。
地面を掘り起こし、虫を探しているのだろうか。いや、飼い主が蒔いておいた餌かも……。
今にも動きだしそうな雄鶏が圧倒的にリアルだった。
署名は「景和」とある。
伊藤若冲(1716年―1800年)の最初期作品――。
「京都 細見美術館展PartⅡ 琳派・若冲と雅の世界」(2012年5月26日~7月16日)を横浜駅東口そごう美術館で観る。
PartⅡでは、琳派と伊藤若冲の作品を中心に、細見コレクションの根幹をなす仏教美術、平安王朝を描いた絵巻物、桃山から江戸期の意匠美を示す工芸品や能衣装など約70点を展示している。
本展構成
・祈りの美・王朝と雅と源氏絵
・華麗なる琳派
・若冲の魅惑
・かざりの意匠
(出品リストなし。作品説明や構成の意図など記したペーパーがあれば…)
昨年9月のこと。京都に「手紙を読む青衣の女」などフェルメール作品3点を観に出掛けた。
京都・岡崎公園内の京都市美術館からは徒歩10分ほどの距離にある細見美術館まで足を伸ばすと、展示入れ替え中で閉館だった。
残念無念! ここなら若冲が観れると思ったのに……。
そんな経緯から、やっと拝した「雪中雄鶏図」だった。伊藤若冲の最初期作品とか。なるほど円熟した作品ではないのかも。しかし、地面をついばむ鶏はリアルで鮮やか、若冲のソレだと思った。 心動かされました。
若冲作品はほかに「仔犬に箒図」「風竹図」など出展。
惹かれた作品
・俵屋宗達「双犬図」・鈴木基一「水辺家鴨図屏風」
・酒井抱一「楓に秋草図屏風」
※細見美術館展PartⅠ「都の遊び・王朝の美」:2012年2月11日記
2012年5月31日観覧※ランキング参加中。クリックにご協力ください。
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