西村賢太の「苦役列車」(新潮文庫)を読む。第144回芥川賞受賞作。
その風貌に驚いた。
ずんぐりむっくりの猪首。開襟シャツにチノパンの四十がらみの中年男。
作家といえば、芥川龍之介とか川端康成とか、観るからに知的で、尋常でない眼光の鋭さと神経質そうな顔立ちを想像してしまうが(当方、古い奴ですが)、想定外のご仁でしたぞ。
テレビ「笑っていいとも」に出演している姿を初めて観た。
話す内容は「風俗」「変態プレー」など飛び出し、放送コードに抵触しそうだったし、ヤバイ輩(やから)。
変人というより変態?だった(笑)。
変人というより変態?だった(笑)。
第144回(平成22年下半期)芥川賞を受賞した「苦役列車」の作者・西村賢太さんである。
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19歳の北町貫太は、父親が性犯罪者になったことで人との交わりを避け、中学卒業からずっと日当5,500円の港湾労働でその日暮らしを続けている。友もなく女もいない。コップ酒とたまの風俗通いだけが楽しみだった。ある日、仕事に向うマイクロバスのなかで、専門学校に通う日下部という若者と知り合う……。
※表題作と「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を収録。
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主人公の貫太は西村賢太自身の私小説。
だから、西村賢太は中卒であり、父親は性犯罪者である。
今後も私小説に拘り、書き続けるそうだ。
藤澤清造という作家に傾倒しているそうな。
恥部までも隠さず、己を曝け出す西村賢太の姿に心動かされました。
只者ではありませんな。2012年5月28、日読了
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