*秀吉ゆかりの登場人物名がいっぱい
万城目学の「プリンセス・トヨトミ」(文春文庫)を読む。
5月31日の木曜日。午後4時、大阪が全停止した――その10日前、会計検査院の松平元、鳥居忠、旭ゲーンズブールの3人は実地調査のため大阪を訪れる。調査対象に謎の団体「社団法人OJO」があった。一方、大阪市立空堀中学校に通う真田大輔と橋場茶子は幼なじみで、女の子になることを夢みる大輔はセーラー服で登校することに憧れていた。
当初連絡がつかなかったOJOだったが、松平は実施検査ができるとの知らせに現地に向う。大輔は父親の幸一とともにある場所に行く。松平・大輔・幸一が一堂に会す。
松平が見たのは、地下に眠る「大阪国」であった。そして大輔の父・幸一は大阪国の総理大臣だった……。
目次
・第一章:会計検査院Ⅰ/大阪市立空堀中学校Ⅰ
・第二章:会計検査院Ⅱ/大阪市立空堀中学校Ⅱ
・第三章:会計検査院Ⅲ/大阪市立空堀中学校Ⅲ
・第四章:会計検査院Ⅳ/大阪市立空堀中学校Ⅳ
・第五章:栄光の五月Ⅰ/栄光の五月Ⅱ
・終 章
・あとがきにかえて:なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪
× × ×
登場人物の名に歴史上の人物がダブります。松平って徳川氏の母体だよね。旭は豊臣秀吉の妹で、徳川家康の二番目の正室。橋場は「羽柴」と同じ読み。豊臣の前名。茶子は、秀吉の側室で秀頼を産んだ茶々(淀)を連想させます。真田幸一とくれば、大阪夏の陣で負け戦ながら獅子奮迅の活躍をした幸村だよね。大輔の祖父が昌一だってさ。これって、昌幸のことだろうね。幸村の嫡男は大助っていうだよね。
大輔と茶子の友人の島は島左近か、さらに長宗我部、蜂須賀と歴史好きにはニヤリとさせられる名前が登場します。
万城目学さんのお遊びなんでしょうね。
映画化され5月に公開されました。旭は男性に、鳥居は女性に変えているようです。ちなみにキャストは、
・松平元:堤真一
・鳥居忠子:綾瀬はるか
・旭ゲ―ンズブール:岡田将生
・真田幸一:中井貴一
だって。
本と映画は別物ですぞ。
2011年7月5日読了
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