*「こだまでしょうか、いいえ、誰でも」――東日本大震災以後、繰り返し放送されたACジャパンのCM。あの詩人である「没後80年 金子みすゞ展」(2011年5月14日~6月5日)を、横浜駅東口・そごう美術館(そごう横浜店6階)で観る。
金子みすゞは、1903年(明治36年)山口県長門市仙崎の生まれで、大正末期から昭和初期にかけて26歳で世を去るまで500編余の詩を綴った。若くして西條八十に才能を認められ「若き童謡詩人の巨星」となった。23歳で結婚、一女をもうけるが、夫と不和になり、詩作を禁じられた。のちに離婚。娘を引き離そうとする夫に抗い自ら生命を絶った。
長い間、「幻の童謡詩人」として彼女の名や作品は埋もれていたが、児童文学者の矢崎節夫氏の努力で1984年に遺稿集が出版され、再び名を知られるようになった。さらに東日本大震災でCM自粛されるなか、テレビで何度となく「こだまでしょうか」が放送され、俄然注目されている。
本展では、少女時代の写真、遺稿が記された手帳、投稿作品が掲載された雑誌、彼女が書いたはがき、生まれた仙崎での資料、形見の着物などを、詩を読みながら、その生涯をたどる。
また、みすゞを愛する有名人63人から寄せられたメッセージや書画、イラストなどで彼女への想いを紹介している。
・メッセージを寄せた主な有名人:池内淳子/片岡鶴太郎/里中満智子/ちばてつや/浜圭介/松たか子/やなせたかし/リリー・フランキー
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展示の最初に「私と小鳥と鈴と」という詩があった。
~みんなちがって、みんないい――。詩の内容は、私は小鳥のように飛べないが、大地を速く走ることができる。私は鈴のような音は出ないが、たくさん唄を知っている、というもので、人や小鳥や鈴はそれぞれの長所(個性)を持っていると、語っている。これは、「世界に一つだけの花」(槇原敬之作詞・作曲)を連想させましたな。
金子みすゞ展で、人間のやさしさに触れることができました。
2011年5月24日観覧
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