*お嬢様デカと毒舌執事が難事件を解決
東川篤哉(ひがしがわ・とくや)の「謎解きはディナーのあとで」(小学館)を読む。2011年本屋大賞のベストセラー。
宝生麗子(ほうしょう・れいこ)は国立署の新米刑事にして、金融とエレクトロニクスと医療品とミステリー出版物などで世界にその名を轟かせる「宝生グループ」の総帥、宝生清太郎のひとり娘。上司の風祭(かざまつり)警部は最高のデザインと最低の燃費を武器にした時代遅れのスポーツカーで内外にその名を馳せる自動車メーカー「風祭モータース」の御曹司である。そして、もうひとり。宝生家の執事兼運転手の影山が主要登場人物。
怪事件、難事件に直面し困った麗子が執事の影山に経過や詳細を相談すると、「失礼ながらお嬢様――この程度の真相がお判りにならないとは、お嬢様はアホでいらっしゃいますか」などと毒舌を吐き、影山が聴いただけでたちどころに事件の謎を解き、犯人を突きとめてしまう。
目次
・第一話:殺人現場では靴をお脱ぎください
・第二話:殺しのワインはいかがでしょう
・第三話:綺麗な薔薇には殺意がございます
・第四話:花嫁は密室の中でございます
・第五話:二股にはお気をつけください
・第六話:死者からの伝言をどうぞ
第二話の「殺しのワイン―」からニヤリとさせられた文章の一部を抜粋――
「性悪女だわ! あたなは若林家の財産を掠(かす)め取ろうとする泥棒猫よ! どこの馬の骨かも判らない野良犬のくせに、図々しい!」
様々な動物に見立てて家政婦を罵る春絵。しかし、猫、馬、犬、とくれば最後はやっぱりアレか――一同の期待が高まる中、春絵はさらに目尻を吊りあげながら、藤代雅美に最大級の罵声を浴びせかけた。
「いままで誰のおかげで生きてこられたと思ってんのよ、この恩知らずの雌豚めッ!」
× × ×
お嬢様の麗子と御曹司の風祭警部の掛け合いもクスリニヤリの連続ですぞ。令嬢デカと毒舌執事が謎を解くお笑いミステリー。イージーリーディングに最適ですな。
2011年5月20日読了
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