*手をあわせば 心きらりと 虹となる
こもりく初瀬 み仏の前
川崎駅近くのアートガーデンかわさきで「書陵展」(2011年4月12日~4月17日)をのぞいてみる。例年春に開催される書道の展覧会。横浜書法芸術協会の主催。
紫舟、武田双雲、國重友美といったテレビやマスコミ露出の多い人気書家の展覧会とは趣を異にして、地味な書家やそのタマゴの力作が展示されている。
× × ×
私事で恐縮ですが、「手をあわせば心きらりと虹となる―」の書はカミさんの作品です。出典は道浦母都子(みちうら・もとこ)さんの歌です。道浦さんは全共闘世代を代表する歌人とか。
*催涙ガス避けんと秘かに持ち来たるレモンが胸で不意に匂えり
など歌があるそうです。
「こもりく初瀬」とはなんだろう? 書を観ても意味がつかめず、途方に暮れました。そんなときネットは心強いツールです。調べてみました。
「こもりく」とは「初瀬」にかかる枕詞で「隠国」「隠口」と表記するそうです。「初瀬」は奈良県桜井市の地名で、近くに長谷寺があります。
――こもりくの里。初瀬の長谷寺。暗い本堂で仏さまに手をあわせると、心にきらりと虹が差し込んできました
そんな解釈を我流でしてみました。きっと歌人は信仰心の厚い人なんでしょうな。
書と対峙すると癒されます。さらに出典までさかのぼるとさらに理解度を増します。出典とそれを書く側の心と向き合うことができるのですな。
書は奥が深い、といつもこの展覧会を観ながら思います。
2011年4月14日観覧
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