2010年4月10日土曜日

星川清司と「眠狂四郎」

2年前の訃報だった。
 市川雷蔵主演の映画「眠狂四郎」の脚本で知られる小説家の星川清司(ほしかわ・せいじ=本名・星川清)さんが亡くなった。2008年7月25日に亡くなったが、故人の遺志で公表を避けていた。86歳だった。1926年と公表していたが、実際は1921年生まれだったことがわかった。寅年(1926年)生まれは運が強いと、若いころから病弱だった彼が縁起を担いでいたものだった。これにより「小伝抄」で直木賞を受賞した1990年には68歳だったことになり、1991年に65歳で受賞した古川薫の最年長受賞記録を上回ることになった。
 と、『注釈』の多い死亡記事が4月9日付の朝刊に掲載されていた。

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 市川雷蔵主演の大映映画「眠狂四郎」は柴田錬三郎原作で、全12作が制作された。ニヒルな狂四郎と美女の絡むエロティシズム、円月殺法の立ち回りと見せ場の多い脚本で60年映画全盛時の人気シリーズとなった。「若親分」「忍びの者」「陸軍中野学校」などシリーズを持つ雷蔵だが、「眠狂四郎」は最高の当たり役と言っていいだろう。
 星川は第1作から7作までの脚本を担当し、人気シリーズの礎を築いた。全12作中8作(11作目も)を書いている。

市川雷蔵の眠狂四郎シリーズ
・第1作:殺法帖1963年 星川清司脚本・監督田中徳三・共演中村玉緒
・第2作:勝負1964年 星川清司脚本・監督三隅研次・共演藤村志保
・第3作:円月斬り1964年 星川清司脚本・監督安田公義・共演浜田ゆう子
・第4作:女妖剣1964年 星川清司脚本・監督池広一夫・共演藤村志保
・第5作:炎情剣1965年 星川清司脚本・監督三隅研次・共演中村玉緒
・第6作:魔性剣1965年 星川清司脚本・監督安田公義・共演嵯峨三智子
・第7作:多情剣1966年 星川清司脚本・監督井上昭・共演水谷良重
・第8作:無頼剣1966年 伊藤大輔脚本・監督三隅研次・共演天知茂
・第9作:魔性の肌1967年 高岩肇脚本・監督池広一夫・共演鰐淵晴子
・第10作:女地獄1968年 高岩肇脚本・監督田中徳三・共演高田美和
・第11作:人肌蜘蛛1968年 星川清司脚本・監督安田公義・共演緑魔子
・第12作:悪女狩り1969年 高岩肇脚本・監督池広一夫・共演藤村志保

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