あさのあつこの「夜叉桜」(光文社文庫)を読む。
「弥勒の月」(草野球音は読んでいないが……)の続編とか。江戸の町で女が相次いで殺される。被害者はいずれも女郎で、殺しの手口は背後から喉を切り裂いたものだった。北町奉行所の定廻り同心、木暮信次郎は殺された女のひとり、おいとの挿していた簪(かんざし)が、小間物問屋「遠野屋」で売れられていたことを知る。
「弥勒の月」(草野球音は読んでいないが……)の続編とか。江戸の町で女が相次いで殺される。被害者はいずれも女郎で、殺しの手口は背後から喉を切り裂いたものだった。北町奉行所の定廻り同心、木暮信次郎は殺された女のひとり、おいとの挿していた簪(かんざし)が、小間物問屋「遠野屋」で売れられていたことを知る。
・過去を背負って生きる「遠野屋」主人の清之介
・老練で実直な岡っ引の伊佐治
物語を彩る登場人物は上記の3人である。一見強面な木暮が女子供のようにアメ好きという。性格の異なる三者三様の心理描写が織り込まれている。
× × ×
「バッテリー」の著者であることは知っていたが、あさのあつこの文章は初めて読んだ。和語(やまとことば)を大事にする文体は、かえって馴染みがなく読みにくいと思われるが、美しい。文章を書くとき留意することは、
・カタカナ外来語を極力使わない
・漢語を避け和語に置きかける
と、以前に先輩に教えていただいたことがある。「夜叉桜」を読んで、さもありなんと思った。
2009年12月11日読了夜叉桜 (光文社時代小説文庫)
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