ハイそれまでョ&紺屋高尾
“婚活詐欺女”の話題で喧(かまびす)しい。なんでも34歳の女は婚活サイトで交際相手を募り、お金を無心し、せしめた金は1億円を超えるとか。それだけならフツ―の結婚詐欺だが、付き合った男が次々に怪死したというから、疑惑は好奇心を煽(あお)り、テレビのワイドショーや大衆かわら版の絶好のネタとなったのだ。
「専門学生でお金が必要。卒業したら、あなたに尽します」という殺し文句で、男をコロリと騙(だま)すそうだ。
× × ×
これって、まるでハナ肇とクレイジー・キャッツが歌った「ハイそれまでョ」ではないか。作詞は青島幸男で、作曲は萩原哲晶だ。
♪あなただけが 生きがいなの
お願い お願い 捨てないで
てなことを言われて、その気になって、退職金まで前借りして貢いだが、トンズラされてしまう。
三番の歌詞では、
♪私だけが あなたの妻
丈夫で長持ち 致します
てなことを言われ、結婚した炊事洗濯はまれでダメ、食べることは3人前。ひとこと小言を言ったら、プイと出てきり「ハイそれまでョ」である。
× × ×「ハイそれまでョ」よりも以前に、聞いた節回しがある。
♪遊女は客に惚れたといい、客は気もせでまた来るという
嘘と嘘との色里で 恥もかまわず身分まで
よう打ち明けてくんなました
浪曲「紺屋高尾」の出だしの節だそうだ。
× × ×・本気な女VS本気な男
・嘘気な女VS嘘気な男
の組みわせは問題は起こらないが、とかくトラブルとなるのはそのバランスが崩れたカップルの場合だ。どちらかが本気で、相手がその気がないケース。そんなとき、修羅の悪魔がパックリ口を開けるのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿