2016年7月21日木曜日

大橋巨泉さん『やばい』forever

『やばい』は大橋巨泉さんが初めてTVで使い出した。
もともとは盗人や香具師(やし)の隠語だった。
口にするのも憚(はばか)る言葉だった。
ガキのころ使用厳禁だった。   ×     ×








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昭和30年代の日活映画で、ギャング役の高品格あたりが、「やばい!サツ(警察)だ。ずらかろう」なんて言っていたっけ。「悪事がばれて身が危うい」場面の常套句で、堅気の言葉じゃなかったよね。

それがどうだ。今じゃ女高生、そうJKの日常会話だ。本来の「危うい」という意味から転化し「かっこいい」__英語の《cool》みたいに使うこともある。若者の使途としては、「すごい」という肯定的な意味から「困った」という否定的いい回しまで多用だ。

巨泉さんが「11PM」で使うので、「いいの? 」と心配しながら驚いたことを記憶している。巨乳を意味する『ボイン』も彼の造語だよね。言葉は変化する。『やばい』の使用が功績とまでは言わないが、一般大衆化したきっかけを作った人物だと思う。

ジャズ評論家。ジャズメンたちは粋がって悪い言葉を、故意に仲間内で使っていたと推測する。⇒俗語 / slang

巨泉さんは楽屋とTVの前とで態度を変えない。バリアフリー・トークの先駆者だった。

この60年間、テレビを観ない日はないと言っていいテレビっ子だ。
大橋巨泉さん タレント、司会者=2016/07/12  享年82歳
訃報は残念で寂しい。

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