2012年8月26日日曜日

北大路欣也の「剣客商売」

秋山小兵衛は田沼時代にふさわしい主人公――。

 故藤田まことさん主演で人気のあった時代劇シリーズ「剣客商売」(池波正太郎原作)が、北大路欣也で復活した。フジテレビ系金曜プレステージ「剣客商売 御老中暗殺」を観たが、北大路の秋山小兵衛はなかなか好演だった。


主なキャスト
・息子の秋山大二郎:斎藤工
・小兵衛と年の差婚となるおはる:貫地谷しほり
・女剣士で老中田沼意次の娘・三冬:杏

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 田沼時代をひとくさり――。

 田沼意次イコール賄賂政治という通説が根強いが、進歩的な経済政策を実施した政治家との評価が高い。老中として幕政を主導した「田沼時代」とは、1767年(明和4年)~1786年(天明6年)の約20年間を指す。10代将軍の家治の時代。

 意次は吉宗が8代将軍に就くにあたり、紀州から江戸の幕臣に加わった。9代将軍の家重の御側御用人となり、10代家重の重用された。

田沼意次の経済政策
・株仲間の奨励、商人を保護し運上金、冥加金を税として徴収し財政の安定
・五匁銀・南僚鐐二朱銀などの新貨鋳造などで通貨制度の安定
・町人資本で印旛沼・手賀沼の開拓と農地開発

 また、鎖国政策を緩め長崎貿易の奨励、蘭学を奨めた。1774年には杉田玄白、前野良沢らはオランダ語医学書「ターヘル・アナトミア」を翻訳し「解体新書」を刊行した。平賀源内など開明派を登用した。
 意次は重商主義政策を推進した。

 実子である若年寄の田沼意友が江戸城内で佐野政信に暗殺される事件が起り、世直しの世論も加速し意次の権威は失墜していく。

 1787年に家治の死後、家斉が11代将軍に就き、幕閣の中心が白河藩主の松平定信に移ると、田沼路線を否定し重農主義に回帰する寛政の改革を行ったのである。

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 池波正太郎さんの描くところの秋山小兵衛は、40歳も離れた下女を妻に娶り悠々自適に、持ち前の剣の腕さえ生業にする軽妙洒脱に生きる人物である。清濁併せ持ち、意次とも親交のある剣客。

まさに時代にふさわしい主人公なのだよね。

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