2010年10月3日日曜日

新東宝女優・池内淳子さん逝く

新妻鏡・スーパージャイアンツ
 テレビドラマ「女と味噌汁」や映画、舞台で活躍した女優・池内淳子さんが2010年9月26日に亡くなった。76歳だった。※以下敬称略

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 テレビ昼メロのヒロイン「よろめき女優」であり、TBSの石井ふく子プロデュース作品「女と味噌汁」シリーズでてまり姐さんを演じ視聴率20%を稼いだ女優であった。味の素「ほんだし」のCMでも茶の間に登場した「日本のおかあさん」だった。

 だが、しかし。新東宝時代の女優としての池内淳子も記憶に留めたい。
 高校卒業後に勤めた日本橋三越の呉服売り場の販売員時代から、その美貌は評判だった。周囲の勧めで映画会社の新東宝の専属女優となった。

 1956年(昭和31年)「新妻鏡」で初主演した。相手役は高島忠夫だった。
「新妻鏡」は小島政二郎の小説の映画化で、1940年には東宝で山田五十鈴が主演している。主題歌が2曲あり、「新妻鏡」は霧島昇、二葉あき子が歌い、作詞は佐藤惣之助、作曲は古賀政男だった。もうひとつの「目ン無い千鳥」は霧島昇、松原操が歌い、作詞はサトウハチロー、作曲は古賀政男だった。
 ♪目ン無い千鳥の 高島田
  見えぬ鏡に いたわしや
 大川栄策の歌唱で聴いた人が多いのではないか。

 池内主演は2度目の映画化である。不慮の事故で失明したヒロインを池内が演じた。

「スーパージャイアンツ」シリーズの最初の作品「鋼鉄の巨人」と、「続・鋼鉄の巨人」は、1957年の新東宝作品で、池内淳子は出演している。主人公の宇宙人スーパージャイアンツを宇津井健が演じた。
 当時の米国テレビドラマ「スーパーマン」のパクリで、「スーパージャイアンツ」は空を飛び、拳銃もアメのようにひねっていまう超人だった。特撮も幼稚だったが、ガキの時分に熱狂して観たもんだ。股間もっこりのタイツ姿の宇津井健にばかり目がいって、池内淳子の印象は薄かったなぁ。
「スーパージャイアンツ」は1957年から1959年にかけて全部で9作製作された。1作から6作までは、石井輝男が監督を務めている。

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 新東宝といえば「エログロ路線」が有名だった。池内淳子はこの種の作品には出なかったが、前田通子、三原葉子、万里昌代らグラマー女優がもろ肌脱いで奮闘していた。「女――」「女体――」「肉体――」といった扇情的な題名がつくものが多かった。中1のころ、「女奴隷船」という映画を近くの映画館に観に行ったことがある。運悪く、留守に友達が遊びにきた。母親が映画に行ったと彼に告げた。次の日、学校ではクラス中から軽蔑のまなざしで見られて閉口したことがある(笑)。
 確かに中学生が観る映画じゃないわな。ませていたんだよね。

「女奴隷船」は1960年作品。三原葉子、菅原文太、丹波哲郎など出演していました。ストーリーは忘れた。池内淳子の訃報に新東宝映画「女奴隷船」を思い出した。

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