2010年12月4日土曜日

和田竜「のぼうの城(上)」

石田三成2万の兵に囲まれた忍城
 和田竜の「のぼうの城(上)」(小学館文庫)を読む。2003年城戸賞を獲得した脚本「忍ぶの城」を、2007年に「のぼうの城」として小説化し刊行した作品。

 戦国は天正18年(1590年)。天下統一をめざす羽柴秀吉は、大軍を投じ関東の雄・北条家の牙城・小田原城を攻める。秀吉から臣下石田三成に、北条家の支城、武州の湖に囲まれ『浮き城』といわれる忍城(おしじょう)を陥落せよと下知が飛ぶ。
 忍城の城主・成田氏長は小田原城に籠城し、病床の成田康季(やすすえ)が城代を務める。成田家の当主氏長の従兄弟で、康季の長男・成田長親(ながちか)はうすらデカく凡庸さから『のぼう様』と呼ばれ民から親しまれていた。
 攻める石田勢2万余兵は忍城を一望とする丸墓山に陣を構えた。守る成田勢はその数500兵。絶体絶命の危機にある忍城であった。忍城には、長親を中心に武勇の侍大将・正木丹波守利英、丹波をライバル視する柴崎和泉守、天才戦術家を自称する酒巻靱負(ゆきえ)、氏長の娘・甲斐姫が戦況を見守っていた。
 三成の使者、長束正家が忍城に出向き城代の代理、長親に降伏を迫った……。

目次
・序
・1
・2

×  ×  ×

 2011年に映画化され、主人公の『のぼう様』長親役を野村萬斎が演じるそうな。『のぼう』は「木偶の坊(でくのぼう)」から採った別称。
 映画化前提の内容だけに、丹波、和泉、靱負、甲斐姫、三成、正家らが生き生きと描かれている。文章も軽快なテンポで心地よい。シロイヌ。
2010年12月3日読了

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