文庫化で改題
佐々木譲の「笑う警官」(ハルキ文庫)を読む。
シロイヌである。緊迫感あり、軽快なテンポで読ませる。
札幌のマンションで美人巡査、水村朝美が殺された。容疑者となったのは交際のあった津久井卓巡査部長だった。やがて津久井に射殺命令が出る。彼はかっての同僚、佐伯宏一警部補に救いを求める。
佐伯は津久井を信じ、濡れ衣を晴らすために立ち上がる。捜査本部には極秘裏に始まった真犯人探し。ただし、タイムリミットは翌朝。緊迫した状況で、佐伯と仲間たちが真犯人に迫っていく。
単行本「うたう警官」を文庫化にともない改題した。「うたう」は組織を売る、リークするという警察の隠語だそうだ。
佐々木譲は「あとがき」(文庫版を改題した事情について)で書いている。
~映画化が決まったときに、版元である角川春樹事務所の角川春樹顧問から、改題してはどうかと打診をいただいた。新タイトルは『笑う警官』である。
映画のタイトルだけ変えるという手もあるが、いっそ文庫化にあたって原作のほうを改題するのが合理的かと考え、『笑う警官』と改題した。
× × ×
角川春樹が監督指揮を執り映画化される。角川は1997年の「時をかける少女」以来11年ぶりのメガホンとなる。
佐伯宏一に大森南朋、津久井卓に宮迫博之、佐伯を支える女性警察官、小島百合に松雪泰子のキャストで、2009年秋の公開予定。
2009年4月26日読了
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