2009年4月11日土曜日

あの名台詞:壷坂霊験記

*4月10日は天皇、皇后両陛下のご結婚記念日で、今年2009年はアニバーサリーの50年、金婚式にあたる。

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 壷坂霊験記という浪曲を知っているだろうか?

妻は夫を労わりつ、夫は妻を慕いつつ
頃は6月中のころ、なつとはいえど片田舎
木立の森も いと涼し

 ガキの頃、唸って喜んでいた。上記の台詞が浪曲「壷坂霊験記」の出だしだ。浪花亭綾太郎(なにわてい・あやたろう1889年―1960年)の十八番である。
 「壷坂観音霊験記」は、盲目の沢市と美しいお里の夫婦愛を描いた明治期に作られた浄瑠璃だ。
 お里がこっそり壷坂寺にお参りに行っているのを、沢市は男でも出来たと邪推するが、実は自分の目を治すために願をかけていると知る。お里に詫びる沢市だが、それほどまでに愛を尽くす妻に報いられず悲観し、死んだほうが妻のためと谷に身を投げる。谷底で沢市を見つけたお里も後を追って身を投げる。そこに観音様が現れ、二人は息を吹き返す。そして、沢市は目が見えるようなるというストーリーだ。
 浪曲はこの浄瑠璃を題材したもので、盲目の浪曲師、浪花亭綾太郎が唸ると、沢市とオーバーラップし聴き手に迫ったという。

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 壷阪寺は別名、南法華寺といわれる奈良にある真言宗の寺院。本尊の十一面観音は眼病に霊験があると言われている。

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