エドワード・グリーン
堂場瞬一の「刑事・鳴沢了シルーズ」第6弾「讐雨」(中公文庫)を読む。
連続少女誘拐殺人事件の犯人が逮捕された。最後の裏付け捜査を終え、署に向かう鳴沢了の車の目前で、1台の車が爆破された。軽傷で済んだ鳴沢が署に着くと、待っていたのは、「犯人を釈放しろ。さもないと爆破は続く」という脅迫状だった。一件落着のはずだった捜査本部が、再び慌しくなった――。
第6弾は東多摩署での事件。シリーズの始まりは西新潟署であったが、多摩南署―青山署、そして4度目の勤務地である。不正を見逃せない潔癖な倫理観からか、どこも定住の場を見つけられないようだ。今回の東多摩署は左遷的な配置転換か。刑事・鳴沢は、今後も署を転々とするのだろうか。
「讐雨」は、「驟雨」の連想だろう。「復讐」の「讐」の字をあてた表題が暗示的だ。
ところで、主人公の鳴沢は靴好きである。靴の手入れが趣味でもある。今回も何度も「エドワード・グリーン」が登場する。なんでも1890年英国で創業した高級靴メーカーだそうだ。
雨中の追跡で、エドワード・グリーンのモンクストラップが台無しになるとの記述が再三見られる。さぞや高価な靴、なんでしょうなぁ。
2009年2月9日読了
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