*訃報は思い出を連れてくる。
絶えずメディアに流れる訃報――気を留めるそれに出遭うと、それは決まって思い出を連れてくるのだ。
男の哀愁が漂う俳優・杉浦直樹さんが亡くなった。2011年7月21日のことで、79歳だった。※以下敬称略。
思い出したのは「錆びたナイフ」だった。1958年(昭和33年)日活映画作品。主演は石原裕次郎。舛田利雄監督。原作は石原慎太郎で、慎太郎と舛田が脚色し、プロデューサーは水の江滝子。日活アクション全盛期の作品である。
石原裕次郎/北原三枝/小林旭/宍戸錠/杉浦直樹/白木マリ
石原裕次郎/北原三枝/小林旭/宍戸錠/杉浦直樹/白木マリ
恋人のために人を殺した前科のあるバー支配人(石原裕次郎)が主役だが、その恋人の暴行事件の張本人が運輸会社の社長である杉浦直樹だった。敵役の杉浦は凄みのある演技をみせていた。裕次郎とのアクション――デッカイ身体の二人が殴り合ったシーンは迫力があったなぁ。
裕次郎と旭の日活二枚看板の数少ない共演作品でもありました。北原三枝は陰のあるバー支配人の裕次郎に惹かれるアナウンサー役で、旭の役は裕次郎の弟分でした。旭が渡り鳥シリーズなどでブレークしたのは、この作品の1年後でした。
昭和33年といえば、巨人軍に長嶋茂雄が入団した年です。また、東京タワーが開業したのも1958年でしたぞ。
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