2011年9月25日日曜日

池上永一「テンペスト」3秋雨

昼はペリーと交渉する孫寧温そして夜は尚泰王の側室・真鶴

池上永一の「テンペスト」第三巻秋雨(角川文庫)を読む。

 清国の宦官・徐丁垓(じょていがい)殺害の罪で、孫寧温は孤島・八重山に流された。流刑の地でも寧温は、その語学と才覚で英国海軍とのトラブルを解決に導く。が、黒水熱(マラリア)に罹り、谷底に遺棄されたことを機に女(真鶴)に戻ることになった。そんな折、島の宴席での琉舞が認められ首里城で踊りを披露することに。それは御内原に上がる試験であった。美しい舞と知性から、真鶴は予想だにしない尚泰王の側室(あごむしられ)として王宮に返り咲く。
  時代は19世紀後半。英国とのアヘン戦争に敗れた清が香港を割譲し、英米など列強は触手を清(中国)に、さらに鎖国の江戸幕府(日本)に伸ばそうとしていた。日本への中継点として琉球に、列強の脅威が及んでいた。


目次:第三巻秋雨
・第十章:流刑地に咲いた花
・第十一章:名門一族の栄光
・第十二章:運命の別れ道
・第十三章:大統領の密使
・第十四章:太陽と月の架け橋
 
×  ×  ×

 新たに登場する真美那(まみな)が面白い。名門一族のお嬢様で、喜舎場朝薫(きしゃば・ちょうくん)の従姉妹にあたる。
 マシュー・ペリー率いる米国艦隊が琉球に寄港。そこで交渉能力の高い孫寧温が罪を解かれ、出番が回ってくる。昼は交渉役の宦官(孫寧温)として、夜は側室である女真鶴として男と女の二重生活が始まりますな。
2011924日読了


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