2011年6月16日木曜日

真保裕一「最愛」

音信不通の姉が銃弾を受け意識不明に
 真保裕一の「最愛」(文春文庫)を読む。

 小児科医の押村悟郎のもとに、18年間音信不通の姉・千賀子が事件に巻き込まれ銃弾を受け、意識不明の重体だという知らせが警察から入った。千賀子は事件前日、婚姻届を出していた。相手の男は伊吹正典といい、28歳のとき妻を殺して服役した過去を持つ。彼はなぜか行方をくらませている。
 押村が4歳の夏、両親が交通事故死したため、押村は伯父に千賀子は伯母に引き取られ、別々に姉弟は育った。
 姉はいったい、なにをしていたのか。押村は18年間の空白を追う……。

×  ×  ×

 押村悟郎の務めている病院の事務長代理で、お互い好意を寄せている女性・二宮真尋が、「どうして小児科医になろうと決めたの」と尋ねると、
押村は、「ある女性との間にできた子供を、この世に迎えてやることができなかった。その償いとして、子供の命のために力をつくす仕事をしたいと考えた。恥ずかしい話だけどね」とこたえる場面がある。

×  ×  ×

 押村が8枚の年賀状をたよりに千賀子の足跡を聴いて回るうち、千賀子の強靭な精神と強い正義感が浮き彫りになる。そして18年間の生活ぶりが……。
 恋愛ミステリー小説とでもいうのでしょうか。
2011年6月15日読了

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