2017年6月15日木曜日

又吉直樹「劇場」

*【内容情報】(「BOOK」データベースより)__演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会ったー。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまにもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。    ×    ×    

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又吉直樹著「劇場」(新潮社)を読む。

主人公の永田は中学からの友人 野原とともに小劇団「おろか」立ち上げ、脚本演出を担っていた。世間の評価は散々で、バイトでなんとか食いつないでいた。
ある日、街で見かけた女性に「靴、同じやな」と声をかけ、喫茶店に行く。彼女の名は沙希。服飾の大学に通っていた。女優になりたい思いで上京した。ヘンテコな出逢いだったが、二人は付き合うようになり、金欠の永田が沙希のアパートに転がり込んだ。
二人の仲は順調だったが、次第に噛み合わなくなる。

永田の焦燥や嫉妬といった内面描写が細かい。

中盤のサッカーゲームのくだりは冗漫で飽きたが、それを挽回するような終盤のたたみかける展開が読ませる。そして感動的なラストで泣かせる。
「火花」で芥川賞受賞後の第2作、又吉直樹さんが実力を証明した作品だと思う。

映画化されるだろうけど、沙希役は誰だろう?

2017年6月13日読了
読書の轍

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