創造の原動力
ぶらり散歩は、浮世絵のお後はピカソである。東京・六本木の国立新美術館で「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展を観た。
残念ながらサントリー美術館は行けなかったが、サントリー美術館「巨匠ピカソ 魂のポートレート」展と同時開催で、20世紀を代表する芸術家を違う角度から特集している。どちらも12月14日(日)まで公開している。
パリ国立ピカソ美術館の改修に伴う世界巡回展の一環として、名品の数々が来日しているのだ。
国立新美術館では、パブロ・ピカソ(1881年―1973年)の91年の生涯を、油絵を中心に彫刻、素描など約170点の作品を、時代順に8室に分け展示している。
「青の時代」に始まり、「バラ色の時代」を経て、すべてのものを幾何学的に分解するキュビスムに至り、古典主義に移り、シュールレアリスムに進む様が、作品を追って辿ることができる。
「愛と創造の軌跡」と展覧会の表題にあるように、その作品を創ったその原動力は女性だったと、実感した。
彼の人生を彩った女性たち――
・フェルナンド・オリヴィエ
・マルセル・アンベール
・オルガ・コクローヴァ
・マリー・テレーズ
・ドラ・マール
・フランソワ・ジロー
・ジャクリーヌ・ロック
「ドラ・マールの肖像」(1937年)が印象に残った。
美術鑑賞眼などまるでない草野だが、ピカソ90歳の作品「母と子」は感動ものだった。その迫力・気迫は、老齢など微塵も感じさせない。江戸東京博物館で観た「ボストン美術館 浮世絵名品展」で展示されていた葛飾北斎の作品と相通じるものがあった。
× × ×
1970年(昭和45年)夏にスペインのバルセロナを観光したことがある。ピカソ美術館は改修中で、見学できなかったと記憶している。38年前の話だが、未だに残念でならない。
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