2009年12月17日木曜日

東野圭吾「嘘をもうひとつだけ」

 東野圭吾の「嘘をもうひとつだけ」(講談社文庫)を読む。刑事・加賀恭一郎が活躍するシリーズの一作。本編は、
・嘘をもうひとつだけ
・冷たい灼熱
・第二の希望
・狂った計算
・友の助言
の5作からなる短編集。主人公の加賀は、年の頃三十なかば、長身でがっしりした体形、彫りの深い顔立ちで、冷静沈着、犯人に対しても優しさや思いやりを忘れない、練馬署捜査一係の刑事として登場する。

「嘘をもうひとつだけ」では、バレー団の事務員が自宅マンションのベランダから転落死する。自殺で処理されようとされるが、刑事がバレー団にやってくる。殺人事件の幕が開く。やってきたのは、もちろん加賀だ。推理とは別に、彼がバレーに興味を持っていることがわかり、面白い。シリーズものは登場人物の性格まで深く知りたくなるから。
 犯人は読み出して直にわかる。コロンボさんや古畑任三郎さんのドラマを観る感覚で、加賀恭一郎の理詰な推理が楽しめるのではないでしょうか。

0 件のコメント: