赤煉瓦(レンガ)造りの東京駅丸の内駅舎は美しく品格を漂わせ、佇(たたずむ)んでいた。
1914年(大正3年)辰野金吾さんという著名な建築家によって設計、創建された100年前の姿が忠実に再現されたと聞き、見物してきました。
★辰野金吾(たつの・きんご=1854年―1919年)
嘉永7年、肥前唐津生まれ。黒船来航の翌年、再度来日したペリーと日米和親条約が締結された年に生まれたんですな。
彼の設計した日本銀行、東京駅などは、彼の死後に起った1923年の関東大震災にもビクともしなかった。なにせマグニチュード7.9、死者行方不明者約10万5000人を出した大災害でした。丈夫な建物を作るところから『辰野堅固』とも異名をとったそうな。
東京駅で下車することはめったにない。何時以来だろうか、などと考えていたら、初めて東京駅に来たことを思い出した。
あれは小学校3,4年生のころ。半世紀50余年も前だ。生まれも育ちも川崎。ませたガキ大将だったが、ひとりで切符を買って電車に乗れなかった。1学年上の幼なじみに先導され、大都会に緊張気味に行ったっけ。大変な冒険旅行だった。
当時、切手集めが流行っていた。東京駅近くの中央郵便局と白木屋デパートの切手売り場が目的地だった。さすが花の東京。郵便局やデパートの大きさ(威容)、伝統のもつ重さをいうか、そんな雰囲気に圧倒された思いがある。
白木屋は江戸時代前期の寛文2年(1662年)から創業の老舗。越後屋(現・三越)、大丸屋(現・大丸)とならぶ江戸三大呉服店のひとつ。
寛文年間といえば、なんと冲方丁(うぶかた・とう)の「天地明察」のころ、4代将軍の家綱の時代ですな。
ここで、読んでいる本と目の前の東京駅舎が結びついた。感激があるのだ、こんな時。思えば、最近はいつもこの瞬間を求めているように思う。
『温故知新』――。
2012年10月9日見物
美博の館#41
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