横浜・馬車道の神奈川県立歴史博物館で特別展「ペリーの顔・貌・カオ―『黒船』の使者の虚像と実像―」(2012年7月7日~8月26日)を観る。
鎖国の日本を開港させるべく2度にわたり来航したアメリカ合衆国東インド艦隊司令長官マシュー・カールブレイス・ペリー(1794年―1858年)の肖像は多くの日本人により描かれた。多種多様なペリー像に焦点をあて、資料約100点を展示し、いかにペリーが日本に描かれ伝えられたかを探る展覧会。
本展構成
Ⅰ 彼らはやってきたⅡ 描き、伝えられたペリー
Ⅲ 変容するペリー
Ⅳ 伝承されるペリー
× × ×
ペリーのさまざまな肖像画を観ながら、ふとゲーテを連想しました。
ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い――。斎藤緑雨(これって川柳なのでしょうか)の聞いたことのある、あのフレーズです。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749年―1832年)。ご存知、ドイツの文豪。
明治中期に日本で盛んにゲーテ作品が紹介されましたが、ゲーテ(Goethe)は「ギョエテ」はじめ「ゲェエテ」「ギョーツ」「グーテ」「ゲエテ」などその表記は数十種に及んだそうです。
よって、緑雨のニヤリとさせられるフレーズが生まれたのですな。ドイツ語の表記と発音に、当時の日本人が踈かったことが、さまざまなゲーテを生んだ要因と推測します。
残っているペリーの写真とは似ても似つかない。
鼻がバカに高く、目がつり上がった天狗のようペリー像がかわら版で伝えられた。ペリーの尊顔を拝した日本人はほんの一握り。
圧倒的な武力で威嚇して鎖国をこじ開けようとしたペリーは悪役です。噂やイメージで描いた結果、多種のペリー像の登場となったのですな、きっと。
ゲーテさんばかりか、ペリーさんだって「これが俺の顔?」と言いそうでした(笑)。
2012年7月19日観覧
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