描けない画家の叫び「1982年 私」
「1982年 私」は晩年の代表作。白いキャンバスに呆けた表情が浮かびあがる。座っているのは鴨居玲自身だ。描けない、私に「これ以上、なにを描けというのか」と苦痛を訴えているようだ――苦悩しながらも作品を生み出した画家、鴨居玲の展覧会「没後25年 鴨居玲 終わらない旅」展(2010年7月17日~8月31日)が、横浜駅東口のそごう美術館(そごう横浜店6階)で開催されている。
鴨居は1928年石川県生まれの洋画家。金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)の入学、宮本三郎に師事。1969年に「静止した刻」で安井賞を受賞した。
出世作の「静止した刻」、スペイン時代の「わたしの村の酔っぱらい」、晩年の「1982年 私」など油彩、素描あわせて約80点を展示している。
1985年に神戸の自宅で自殺した。57歳だった。
≪目に付いた作品≫
・静止した刻 1968年
・ボリビア インディアの娘 1970年
・おっかさん 1973年
・石<教会> 1974年
・「望郷」故・高英洋に捧ぐ 1981年
・1982年 私 1982年
どれもが暗い色調、描かれた人物からは内面の叫びが聴こえるようだ。
2010年7月22日観覧
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