ああ 高校三年生
♪赤い夕日が 校舎をそめて
ニレの木陰に 弾む声
舟木一夫が学ラン姿で歌い大ヒットした「高校三年生」の作詞家、丘灯至夫(おか・としお)が2009年11月24日亡くなった。92歳だった。
♪フォークダンスの 手をとれば
甘く匂うよ 黒髪が
歌詞に胸がキュンとなったものだ。昭和38年(1963年)、作曲は遠藤実、その門下生の舟木のデビュー曲だった。
昭和32年(1957年)には初代コロムビア・ローズの「東京のバスガール」も作詞している。こちらの作曲は上原げんと。
♪若い希望も 恋もある
ビルの街から 山の手へ
そういえば、当時ワンマンバスはなく、若い女の車掌さんが乗っていた。「発車、オーライ」。紺の制服を着て切符を渡していたっけ。
× × ×
耳に残る丘の名作がまだある。
♪汽車の窓から ハンケチ振れば
牧場(まきば)の乙女が 花束なげる
岡本敦郎の歌唱で、作曲は古関裕而だった。
島倉千代子の「襟裳岬」も覚えている。吉田拓郎のではないヤツだ。作曲は遠藤実だった。
♪風はひゅるひゅる 波はざんぶりこ
誰か私を 呼んでるような
作品は永遠に――。
× × ×
東映時代劇のお姫様女優、千原しのぶが2009年11月22日に亡くなった。78歳だった。このところ森繁久弥、水の江滝子と記憶に刻みこんでおきたい人の訃報が相次ぐ。……。
2009年11月24日火曜日
2009年11月23日月曜日
鳥羽亮「妖し陽炎の剣」
女の白肌のような京女鬼丸
鳥羽亮の「妖(あやか)し陽炎の剣―介錯人・野晒唐十郎」(祥伝社文庫)を読む。野晒唐十郎シリーズ第2弾。
八月(旧暦)初旬、本所相生町で南町奉行所定町廻り同心と岡っ引きが、妖刀「京女鬼丸」を持つ辻斬りに斬殺された。同夜、浅草諏訪町の米問屋に「大塩救民党」と名乗る賊が押し入り、主人、妻、奉公人を皆殺しにし、千ニ百両が強奪された。翌日、市井の試刀家、小宮山流居合の達人・狩谷唐十郎は二千石の大身旗本、綾部家で試刀を頼まれた。試し斬りに渡されたのは、女の白肌のような優美さを刀身に湛(たた)える京女鬼丸だった……。
目次
・第五章 化身
・第六章 大川残映
唐十郎と辻斬りの対決描写の読み応えがある。
シリーズ第1弾から引き続き、野晒唐十郎のほか、
・試刀や介錯の際の助手、本間弥次郎
・伊賀者の相良甲蔵
・甲蔵の娘で石雲流小太刀の名手、咲
・十手持ちの狢(むじな)の弐平
と馴染みの顔が登場する。
時代背景は、天保8年(1837年)大坂で窮民救済を旗印に蜂起した大塩平八郎の乱から8年後の弘化2年(1845年)となっている。
2009年11月22日読了妖し陽炎の剣―介錯人・野晒唐十郎 (ノン・ポシェット)
鳥羽亮の「妖(あやか)し陽炎の剣―介錯人・野晒唐十郎」(祥伝社文庫)を読む。野晒唐十郎シリーズ第2弾。八月(旧暦)初旬、本所相生町で南町奉行所定町廻り同心と岡っ引きが、妖刀「京女鬼丸」を持つ辻斬りに斬殺された。同夜、浅草諏訪町の米問屋に「大塩救民党」と名乗る賊が押し入り、主人、妻、奉公人を皆殺しにし、千ニ百両が強奪された。翌日、市井の試刀家、小宮山流居合の達人・狩谷唐十郎は二千石の大身旗本、綾部家で試刀を頼まれた。試し斬りに渡されたのは、女の白肌のような優美さを刀身に湛(たた)える京女鬼丸だった……。
目次
・第一章 京女鬼丸
・第二章 三龍包囲陣
・第二章 三龍包囲陣
・第三章 大塩救民党
・第四章 槍と居合・第五章 化身
・第六章 大川残映
唐十郎と辻斬りの対決描写の読み応えがある。
シリーズ第1弾から引き続き、野晒唐十郎のほか、
・試刀や介錯の際の助手、本間弥次郎
・伊賀者の相良甲蔵
・甲蔵の娘で石雲流小太刀の名手、咲
・十手持ちの狢(むじな)の弐平
と馴染みの顔が登場する。
時代背景は、天保8年(1837年)大坂で窮民救済を旗印に蜂起した大塩平八郎の乱から8年後の弘化2年(1845年)となっている。
2009年11月22日読了妖し陽炎の剣―介錯人・野晒唐十郎 (ノン・ポシェット)
2009年11月15日日曜日
鳥羽亮「与三郎の恋」
長身イケメンの銀次
鳥羽亮の「まろほし銀次捕物帳―与三郎の恋」(徳間文庫)を読む。一角流十手術に伝わる特殊な小武器「まろほし」の遣い手で江戸の岡っ引き・銀次が活躍するシリーズ。
・団扇(うちわ)の血痕
・女変化
・怪盗猿(ましら)小僧
・老盗
・魔剣、提灯(ちょうちん)斬り
・与三郎の恋
の6編からなる連作となっている。
シリーズものは登場人物に親近感を抱く。主人公の銀次は長身イケメン独り者の十手持ちで、下谷、池之端界隈では「池之端の親分」「まろほしの親分」と呼ばれ、歳は若いが人に知られる存在だ。母親おそでは小料理屋、嘉乃屋を営む。銀次の手先には、事件のないときは嘉乃屋の板場を手伝う与三郎と、松吉がいる。神道無念流の達人でさびれた道場の主・向井藤三郎と北町奉行所定廻り同心、島崎綾之助などがレギュラー陣である。
「団扇の血痕」は松吉、「魔剣、提灯斬り」は向井藤三郎、「与三郎の恋」では与三郎と、銀次を取り巻く脇役にスポットがあたるスピンオフ的な作品となっている。「怪盗猿小僧」と「老盗」は義賊ともいえる盗人の心情を描いている。
2009年11月14日読了
鳥羽亮の「まろほし銀次捕物帳―与三郎の恋」(徳間文庫)を読む。一角流十手術に伝わる特殊な小武器「まろほし」の遣い手で江戸の岡っ引き・銀次が活躍するシリーズ。
・団扇(うちわ)の血痕
・女変化
・怪盗猿(ましら)小僧
・老盗
・魔剣、提灯(ちょうちん)斬り
・与三郎の恋
の6編からなる連作となっている。
シリーズものは登場人物に親近感を抱く。主人公の銀次は長身イケメン独り者の十手持ちで、下谷、池之端界隈では「池之端の親分」「まろほしの親分」と呼ばれ、歳は若いが人に知られる存在だ。母親おそでは小料理屋、嘉乃屋を営む。銀次の手先には、事件のないときは嘉乃屋の板場を手伝う与三郎と、松吉がいる。神道無念流の達人でさびれた道場の主・向井藤三郎と北町奉行所定廻り同心、島崎綾之助などがレギュラー陣である。
「団扇の血痕」は松吉、「魔剣、提灯斬り」は向井藤三郎、「与三郎の恋」では与三郎と、銀次を取り巻く脇役にスポットがあたるスピンオフ的な作品となっている。「怪盗猿小僧」と「老盗」は義賊ともいえる盗人の心情を描いている。
2009年11月14日読了
2009年11月14日土曜日
森繁久弥さん FOREVER
「社長」シリーズ
映画からテレビ、ラジオ、舞台まで。シリアスな芝居から喜劇、ミュージカルまで。主役から端役まで。果てはシンガーソンライターまでこなした戦後芸能史の大立者であり、名優の森繁久弥(もりしげ・ひさや)さんが2009年11月10日に亡くなった。96歳、老衰だった。あっぱれな大往生だった。
偉大な足跡のほんの一部を振り返って偲びたい。
× × × いつも助平心に誘われて浮気の機を窺う社長だが、肝心なときに決まって邪魔が入り浮気は失敗してしまう。森繁久弥が主演した映画「社長シリーズ」は東宝の看板で1956年(昭和31年)から1970年(昭和45年)にかけて33本も製作された。
キャストは豪華だった。
・仕事は出来るが女に弱い社長に森繁久弥
・真面目で融通が利かない秘書に小林桂樹
・慎重な実直な総務部長に加東大介
・宴会好きな営業部長に三木のり平
・取引相手となる日系人(地方の名士なども)にフランキー堺
と芸達者が揃い、役どころをそれぞれがきっちりこなしていた。
社長を取り巻く浮気相手の色っぽいバーのマダムや芸者には、新珠三千代、淡路恵子、草笛光子、池内淳子などが扮した。社長夫人は久慈あさみ。浮気が叶いそうな場面でバレてしまい、森繁がなんともバツの悪そうな表情となる。お決まりのシーンだが、これが絶妙であった。
特に好きなキャラは三木のり平の“宴会部長”だった。「パーっと行きましょう。パーっと」といいながら、宴会をセッティングして仕切る。その宴会でみせる珍芸に腹を抱えて笑ったものだ。森繁も凄いが、のり平も只者ではない。
小林桂樹の恋人(のちに妻)役は司葉子。シリーズ33本のうち23作品のメガホンを握ったのは松林宗恵だった。
× × × 加東大介、三木のり平、フランキー堺、そして森繁とシリーズの常連が鬼籍に入った。日本経済の高度成長期にときを同じくして咲いた映画の華、その最後の花弁が散った想いがする。
映画からテレビ、ラジオ、舞台まで。シリアスな芝居から喜劇、ミュージカルまで。主役から端役まで。果てはシンガーソンライターまでこなした戦後芸能史の大立者であり、名優の森繁久弥(もりしげ・ひさや)さんが2009年11月10日に亡くなった。96歳、老衰だった。あっぱれな大往生だった。
偉大な足跡のほんの一部を振り返って偲びたい。
× × × いつも助平心に誘われて浮気の機を窺う社長だが、肝心なときに決まって邪魔が入り浮気は失敗してしまう。森繁久弥が主演した映画「社長シリーズ」は東宝の看板で1956年(昭和31年)から1970年(昭和45年)にかけて33本も製作された。
キャストは豪華だった。
・仕事は出来るが女に弱い社長に森繁久弥
・真面目で融通が利かない秘書に小林桂樹
・慎重な実直な総務部長に加東大介
・宴会好きな営業部長に三木のり平
・取引相手となる日系人(地方の名士なども)にフランキー堺
と芸達者が揃い、役どころをそれぞれがきっちりこなしていた。
社長を取り巻く浮気相手の色っぽいバーのマダムや芸者には、新珠三千代、淡路恵子、草笛光子、池内淳子などが扮した。社長夫人は久慈あさみ。浮気が叶いそうな場面でバレてしまい、森繁がなんともバツの悪そうな表情となる。お決まりのシーンだが、これが絶妙であった。
特に好きなキャラは三木のり平の“宴会部長”だった。「パーっと行きましょう。パーっと」といいながら、宴会をセッティングして仕切る。その宴会でみせる珍芸に腹を抱えて笑ったものだ。森繁も凄いが、のり平も只者ではない。
小林桂樹の恋人(のちに妻)役は司葉子。シリーズ33本のうち23作品のメガホンを握ったのは松林宗恵だった。
× × × 加東大介、三木のり平、フランキー堺、そして森繁とシリーズの常連が鬼籍に入った。日本経済の高度成長期にときを同じくして咲いた映画の華、その最後の花弁が散った想いがする。
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