初期から最晩年の作品まで一堂に
端正なたたずまいから神々しいオーラが漂っていた――奈良・円成寺の国宝「大日如来坐像」などの作品で知られる鎌倉時代の仏師、運慶の仏像を集めた「特別展 運慶」(2011年1月21日~3月6日)を横浜市金沢区の神奈川県立金沢文庫で観る。
信頼できる資料等から真作と確認されている運慶作品は極めて少ない。その希少価値のある運慶(?~1224年)ないし運慶工房の仏像が、初期から最晩年の作まで一堂に会し、「大日如来坐像」が3体揃っての展示となっている。
*展示されている運慶真作&運慶作と推定される作品
・国宝 大日如来坐像=運慶作(奈良・円成寺所蔵)1176年
・重文 毘沙門天立像=運慶作(神奈川・浄楽寺)1189年
・重文 不動明王立像=運慶作(神奈川・浄楽寺)1189年
・重文 帝釈天立像=伝運慶・湛慶作(愛知・滝山寺)1201年
・重文 厨子大日如来坐像(栃木・光得寺)鎌倉時代初期
・重文 大日如来坐像(東京・真如苑)鎌倉時代初期
・重文 大威徳明王坐像=運慶作(神奈川・光明院)1216年
国宝の「大日如来坐像」は現存の運慶最古作。「大威徳明王坐像」は最晩年の仕事といわれる。真如苑所蔵の「大日如来坐像」は、もと個人蔵で2008年クリスティーズ社のオークションにかけられ真如苑が三越に依頼し1280万ドルで落札し、話題となった。
金沢文庫は鎌倉中期の武将、北条実時が建設した私設図書館。1930年に神奈川県が運営する施設として再興した。1990年に新築され、現在は鎌倉時代を中心にした所蔵品を展示する歴史博物館となっている。
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奈良・円成寺の「大日如来坐像」は運慶が作ってから、835年が経っているのに、その表情は生き生きしていました。さぞかし寝食を惜しみ、渾身を込めたのでしょう。仏に魂が刻まれていました。これからも永遠に生き続けることでしょう。まさに「芸術は長く人生は短し」です。眼福にあずかりましたぞ。
2011年2月24日観覧
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