おこんが拐された
佐伯泰英の“居眠り磐音江戸双紙シリーズ第31弾「更衣ノ鷹」(上)”(双葉文庫)を読む。シリーズ初の上下巻の構成となっている。
文武に優れ聡明な家基を次期11代将軍に据えようとする佐々木玲圓と磐音父子と、幕政を私物化し阻もうとする田沼意次一派の攻防が激しさを増す。
前編で対決した伝説の老剣客・丸目高継がそのときの傷がもとで死んだことを、孫娘の歌女から磐音は知らされる。歌女は磐音への憎しみを募らせる。意次派の陰謀がじわじわ迫り、桂川国瑞が家基の御典医の座を、そして磐音の剣術指南役を外された。いまや家基の身を死守するのは依田鐘四郎のみとなった。そんな状況のなか愛妻おこんが意次の愛妾『神田橋のお部屋様』の手により拐(かどわか)された……。
× × ×
10代将軍・家治の嫡男である家基は安永8年(1779年)鷹狩りの帰路、体調不良となり3日後に亡くなっている、という動がし難い史実を佐伯泰英はどのように脚色するのだろうか。と、期待を込めつつ下巻に突入する。
2010年1月26日読了更衣ノ鷹(上)ー居眠り磐音江戸双紙(31) (双葉文庫 さ 19-35)
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