2007年9月25日火曜日

アラカンから新東宝

 新東宝って映画会社を知っていますか。
 草野球音の連想ゲームは続く。前回の「木久扇から片岡千恵蔵」の項で戦前からの剣戟六大スターのなかにアラカンこと嵐寛寿郎(あらし・かんじゅうろう)が登場したが、「新東宝」の連想に至った。

 新東宝は1947年(昭和22)から1961年(昭和36)までの14年間に500本以上の映画を製作、日本映画史にうたかた(泡沫)と消えた映画会社である。設立初期(1952年)には「西鶴一代女」(溝口健二監督)のような傑作も出したが、1955年に大蔵貢氏*(歌手・近江俊郎の実兄)が社長に就任後は、エログロに路線変更した。そのなかにあって、金のかけない映画作りで評判だった新東宝が当時1億円という多額の製作費で作った異色作品が「明治天皇と日露大戦争」だった。明治天皇を演じたのがほかならぬ嵐寛寿郎である。「日本映画界初の天皇俳優」(1957年・渡辺邦男監督)となった。アラカンは新東宝の大御所スターだった。興行的にも大当たりした。

 球音の子供時代に印象に残った新東宝作品は、「明治天皇と日露大戦争」のほか宇津井健の「スーパージャイアンツ」シリーズ*、小畠絹子の「女競輪王」などである。男優では高島忠夫、天地茂、丹波哲郎、菅原文太、吉田輝雄、寺島達夫、女優では前田通子、久保菜穂子、池内淳子、三原葉子、万里昌代、高倉みゆき、大空真弓、三条摩子(大映移籍後に三条江梨子と改名)が挙げられる。
 大蔵貢の逸話が面白い。「女優をめかけにした」と雑誌に報じられた件の記者会見で、「女優をめかけにしたのではない。めかけを女優にしたのだ」とぶったのである。
 
 さて、そこで問題です。上記の女優陣のなかにその該当者がいますが、誰でしょうか?

大蔵貢(おおくら・みつぐ):1899年(明治32)―1978年(昭和53)。活動写真弁士から日活を経て、1955年新東宝を買収し社長就任。退任後、大蔵映画を設立。
スーパージャイアンツ:1957年~59年の特撮映画。主人公の宇宙人の名称で、宇津井健が主演した。全部で9作品製作され、1~6作が石井輝男監督。宇津井さんの股間もっこりのタイツ姿が妙に懐かしい(笑い)。

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