東京都美術館の「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」を観るの続編Part2。目玉作品は「真珠の耳飾りの少女」で異論のないところだが、フェルメールは「真珠の―」のほか最初期の「デイアナとニンフたち」(1653-54年頃)、レンブラントは最晩年1669年の「自画像」など6点が展示されている。2012年6月30日~9月17日開催。
本展構成
第1章: 美術館の歴史
第2章: 風景画
第3章: 歴史画(物語画)
第4章: 肖像画と「トローニー」
第5章: 静物画
第6章: 風俗画
※フランドルと「フランダースの犬」
「フランドル」と「フランダースの犬」の「フランダース」が同じ地域を指す言葉とは、恥かしながら知らなかった。「フランドル」はフランス語から、「フランダース」は英語由来。現在のベルギーを中心とした地方だそうな。
そういえば、「フランダースの犬」の主人公ネロはルーベンスに憧れ、画家を目指していました。クリスマスイヴにアントワープ大聖堂にたどり着いたネロと愛犬パトラッシュが、ルーベンスの絵の前で息を引き取りました。涙を誘うラストシーン。
ネロが最期に瞼に焼き付けたのがルーベンスの「聖母被昇天」でした。
本展では、「聖母被昇天」の『下絵』が展示されています。
「聖母被昇天」とは、聖母マリアがその人生の終わりに、肉体と霊魂を伴って天国にあげられたという信仰のことで、ベルギーのアントワープ大聖堂の祭壇画が有名です。下絵はルーベンスが生涯手元に置き、マウリッツハイス美術館の所蔵となりました。
※「真珠の耳飾りの少女」はトローニー
「トローニー」とは、オランダ語で頭部の習作を意味する言葉で、具体的な人物を描くわけでなく、画家が自由に性格や表情を想い描いた創作の人物像を指す。フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や、フランス・ハルスの「笑う少年」がトローニーだそうな。
先日、銀座で観た「フェルメール光の王国展」(複製画)の音声ガイドでは、フェルメール役の小林薫さんと娘役の宮沢りえさんは、耳飾りの少女のモデルがフェルメール家のメイドと説明していたけど、あれって全くの作り話なのだろうか。
ハルスの「笑う少年」は小品ながら、惹かれました。笑顔がいかにも自然。モデルを描くより、描き手の創作が勝るののだろうか。
※レンブラント・ファン・レイン(1606年―1669年)
17世紀を代表するオランダの画家。「光の画家」「光の魔術師」の異名も。生涯を通じて自画像を描いた。
※マウリッツハイス美術館
オランダのハーグにある。王立絵画館といわれる。オランダ領ブラジル総督を務めたヨハン・マウリッツの邸宅が美術館となった。所蔵品800点と小規模ながら、レンブラントやフェルメール、ルーベンスら巨匠の名品で知られる。世界に30数点しかないフェルメール作品のうち3作を所蔵。
2012年7月5日観覧
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