2011年3月8日火曜日

媚びない石坂浩二・千宗易:「江」

大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」(第9回=義父の涙)
まるでサルカニ合戦ですな――
 千宗易を演じる石坂浩二が羽柴秀吉(岸谷五朗)に面と向かって言った。
 サルとは面ざしから来る秀吉のあだ名。カニは柴田勝家(大地康雄)。そういえば、大地さんってカニに似ている(笑)。信長の茶頭から、秀吉に仕える身となった宗易だが、秀吉にまるで媚びない。深まる秀吉と勝家の確執を、表現してみせた。

 織田家筆頭家老の勝家や信長の妹・市をさておき、秀吉は京・紫野の大徳寺で「信長の葬儀」を大々的に執り行った。信長の継承者を世に喧伝した。さらに清州会議で勝家のものとなった長浜城を奪い返す。秀吉の挑発に勝家は当初、茶々・初・江の三姉妹の気持ちを思い「父は戦はせぬ」と宣言するが、ついに天正11年(1583年)春、残雪をかき分け出陣するのだった。
 サルカニ合戦は世にいう「賤ヶ岳の戦い」と発展する。

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*千利休=幼名・与四郎。法名は宗易、利休は居士号。侘び茶の完成者であり、茶聖と称せられる。堺の商家(屋号は「魚屋(ととや)」の生まれ。織田信長が堺を直轄地とした時茶頭となり、後に秀吉に仕える。天下人の秀吉の勘気に触れ堺に蟄居を命じられる。古田織部や細川忠興らの助命も叶わず、聚楽屋敷内で切腹を命じられる。天正19年(1591年)2月28日。70歳だった。
 利休の生涯は、山本兼一著「利休にたずねよ」(PHP文庫)に詳しい。

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 石坂浩二は渋く、したたかに千宗易を演じています。天下一の茶頭にして、秀吉の政策ブレイン。信長の後継に、三男の信孝を推す勝家に対抗し、本能寺の変で死んだ嫡男・信忠の嫡子・三法師を後継者にするよう秀吉に示唆していましたな(第7回=母の再婚)。秀吉に対して対等のものいいをしています。主人を「サルカニ合戦」と平然とサル呼ばわりしたわけですが、この場面が切腹して果てる後の運命を暗示していると観ました。

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