2009年7月2日木曜日

堂場瞬一「蒼の悔恨」

魅力ある真崎薫

 堂場瞬一の蒼の悔恨 (PHP文庫)を読む。
 神奈川県警捜査一課の刑事、真崎薫が主人公。堂場のヒット・シリーズ鳴沢了と同様、上司の命令はきかず自分流に捜査を進める“はみ出しデカ”である。鳴沢との相違は、酒を飲み、煙草ラッキー・ストライクを吸う。自分の名前「薫」が大嫌い。ポトフやビーフシチューを上手に作る料理好き。愛車は10年型落ちのBMW、180センチ超の長身でハンサムと、主人公のキャラクターは魅力的だ。
 連続殺人犯、青井猛郎を、真崎は初めてコンビを組んだ女性刑事、赤澤奈津ともに大けがを負った上、取り逃がす失態を演じる。その汚名を返上しようと立ち上がる。奈津の父は横浜随一の宝石商、海星社の社長。闇の世界で隠然たる存在の新世界飯店の店主、楊貞姫(ヤン・ジェン・ジー)が登場したりして、横浜ムードもある小説に仕上がっている。
 犯人を挙げた真崎は奈津に「君を愛させてくれ」と叫ぶ。ラストシーンもいい。
×  ×  ×
 まぁ、欠点は挙げないようにしょう。愉しく読めればよしとする。
 貶されるって誰でもイヤだよね。若い時分、草野球音は褒めれれて成長する典型だったなぁ。つまりお調子モノだったから。
2009年6月25日読了

0 件のコメント:

コメントを投稿