2008年10月16日木曜日

野村胡堂の「銭形平次」

ガラッ八キャスト

 野村胡堂著・末國善己編「奇譚銭形平次」(「銭形平次捕物控」傑作選~PHP文庫)を読む。
・金色の処女
・呪いの銀簪
・人肌地獄
・七人の花嫁
・南蛮秘法箋
・江戸阿呆宮
・火遁の術
・遠眼鏡の殿様
・密室
上記9編が収録されている。どれも一気に読める内容で、シロイヌだった。

 野村胡堂(1882年―1963年)は1931年に銭形平次捕物控の第1作「金色の処女(こんじきのおとめ)」を発表し、太平洋戦争を挟んだ1957年までの26年間に長短編を含めて383編を執筆している。
 結婚前のお静が登場する「金色の処女」は、徳川3代将軍・家光の暗殺計画の陰謀、邪教集団の美女連続誘拐事件など波乱万丈に展開する。

 恥かしながら、「銭形平次」を読むのは、草野は初めてで、子供の頃、長谷川一夫の映画で親しんだクチである。フジテレビで放送した大川橋蔵のモノは、何故かほとんど観ていない。
 というわけで、383編の9編を読んだだけで、書評などするつもりはない。

 銭形平次といえば長谷川一夫(1908年―1984年)となる。平次は長谷川一夫の当り役で17本も撮っている。調べてみると、新東宝で1本と残り16本は大映作品だった。制球力抜群、鮮やかな寛永通宝の投げ銭が見せ場だった。
平次の子分である「ガラッ八」の八五郎役がバラエティーに富んでいる。主だったところを順不同で列記すると、
・花菱アチャコ
・堺駿二
・榎本健一
・船越英二
・三木のり平
・ハナ肇
と、名脇役が並ぶ。ちなみに堺駿二は堺正章の、船越英二は船越栄一郎のオヤジ殿で、船越英二夫人の長谷川裕見子は長谷川一夫の姪にあたる。

×  ×  ×

※蜘蛛巣丸太巣「草野球音備忘録」では人物名の敬称を省略しています。文章中での記憶違い・事実誤認・赤字などありましたら、ご指摘くだされば幸いです。また赤字などの訂正、文章表現などの加筆は随時行っています。

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