2017年4月29日土曜日

浅田次郎「黒書院の六兵衛」

*浅田次郎原作の映画といえば高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」かな。1999年 降旗康男監督 大竹しのぶ 広末涼子 小林稔侍 木村大作撮影。健さんは妻の死に目にも会えぬ実直な佐藤乙松という国鉄マンを演じていましたっけ。
拙ブログ「浅田次郎」関連
「柘榴坂の仇討」2014年 若松節朗監督 中井貴一 阿部寛  
「壬生義士伝」2003年 滝田洋二郎監督 中井貴一 佐藤浩市    ×    ×    
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浅田次郎著「黒書院の六兵衛」上下(文春文庫)を読む。

幕末。江戸260余年も続いた徳川の世が幕を閉じようとしている。開城前夜の江戸城に官軍の先遣隊として送り込まれた尾張徳川家の徒組頭加倉井隼人が見たのは、宿直部屋に居座る御書院番士だった。徳川幕府の勝海舟からも、新政府軍の西郷隆盛からも力づくで引きずり出してはならぬ、説得してほしいと頼まれる。
江戸城外では上野の森に彰義隊が立てこもり、官軍、欧米列強が緊迫のにらみ合い。一触即発の状況。城内で悶着が起これば江戸の街は戦火に見舞われる。
はて困った加倉井隼人は。謎の武士の正体は?

話はごく単純で江戸城内に居座る武士をなんとか穏便に城外に出て行ってもらう工夫を凝らす尾張藩の徒組頭を中心に描いている。よくこんなストーリーで上下巻も読ませるものだ。このあたりは浅田次郎さんの筆力なんでしょうね。感心しました。

2017年4月21日読了
読書の轍 

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