2016年1月28日木曜日

小林旭「ギターを持った渡り鳥」

♪ 赤い夕陽よ  燃えおちて
    海を流れて  どこへゆく
    ギターかかかえて  あてもなく
作詞 : 西沢爽 / 作曲 : 狛林正一 /     ×    ×



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「渡り鳥」シリーズ第1弾 小林旭主演の映画「ギターを持った渡り鳥」を観る。齋藤武市監督 / 脚本 : 山崎巌、原健三郎 / 小川英原作 / 日活1959年 /

出  演
・小林旭 : 滝伸次
・浅丘ルリ子 : 秋津由紀
・宍戸錠 : ジョージ
・中原早苗 : 庄司澄子
・渡辺美佐子 : リエ
・金子信雄 : 秋津礼三郎
・青山恭二 / 白木マリ / 二本柳寛 / 野呂啓介 /

ギターを持った流しの滝伸次が函館に流れついた。地元のボス秋津礼三郎に腕っ節を買われて用心棒となり、街の再開発を進めるため住民を立ち退かせる仕事を命じられた。ある日、ジョージという男が麻薬取引のため函館にやってきた。

拙ブログ「小林旭」関連
アキラの無国籍・渡り鳥 2008/02/03
読んでいただければ幸いです。

ペギー葉山のヒット曲「南国土佐を後にして」の映画化が当たり、
小林旭主演の映画「渡り鳥」シリーズが生まれた。
流れ者のアキラがぶらり立ち寄った場所で繰り広げる西部劇調のアクション映画。
その渡り鳥に浅丘ルリ子が想いを寄せるが、
最後は別れが待っているという筋立てで全8作が製作された。
「ギターを持った渡り鳥」(1959年)
「口笛が流れる港町」(1960年)
「渡り鳥いつまた帰る」(1960年)
「赤い夕陽の渡り鳥」(1960年)
「大草原の渡り鳥」(1960年)
「波濤を越える渡り鳥」(1961年)
「大海原を行く渡り鳥」(1961年)
「北帰行より渡り鳥北へ帰る」(1962年)


アキラと宍戸錠の拳銃やダイスさばきも見どころだ。
主人公の滝伸次って名前が記憶に残る。
ナイトクラブで踊る白木マリが当時の日活によく登場し、
お色気場面を盛り上げていました。

dtv
2016年1月26日観映 #162    
映劇の芸

2016年1月23日土曜日

石原裕次郎「嵐を呼ぶ男」

*昭和32年歳末 扉がやっと閉められるほど満員の映画館。
1回目は立ち見で2回目は空いた席を見つけて観たっけ。
石原裕次郎を一躍国民的スターに押し上げた作品。
あの10歳が古希近し それでも映像が鮮明に蘇る(シミジミ)   ×   ×  



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井上梅次原作・監督×石原裕次郎主演の映画「嵐を呼ぶ男」を観る。
脚本 : 井上梅次、西島大 / 日活1957年 /

出  演
・石原裕次郎 : 国分正一
・北原三枝 : 福島美弥子
・芦川いづみ : 島みどり
・青山恭二 : 国分英次
・金子信雄 : 左京徹
・白木マリ(白木万理) : メリー
・笈田敏夫 : チャーリー
・岡田真澄 / 小夜福子 / 安部徹 / 高品格 / 榎木兵衛 /

戦後から10余年。ジャズが巷に溢れている。銀座でギターを持って流しをする国分正一は音楽の才能はあるが、喧嘩ぱやい。そんな正一を弟の恭二は人気ジャズバンド『福島慎介とシックスジョーカーズ』の女性マネージャー美弥子に売り込んでいた。
『シックスジョーカーズ』のドラマー、チャーリーは美弥子と恋仲だったが、最近ダンサーのメリーにご執心だ。ステージをすっぽかしたチャーリーの代役に、美弥子が正一を抜擢すると、正一は堂々たるドラムを披露した。

国分正一が喧嘩で怪我した包帯の左手でマイクを引き寄せ、
右手のスティックでリズムをとりながら歌う。
♪ 俺らはドラマー  やくざなドラマー
    俺らがおこれば  嵐を呼ぶぜ

チャーリー役の笈田敏夫とのドラム合戦。
邦画史上に残る名シーンで何回観てもかっこいい。
作詞 : 井上梅次 / 作曲 : 大森盛太郎 /
渡哲也や近藤真彦がリメイクしているが、
この役は裕次郎しかいないね。

渡辺美佐をモデルとしたといわれる女マネージャーの
北原三枝は颯爽と美しい。
アパート大家の娘役の芦川いづみが可憐だ。

川崎駅東口の映画街ミスタウンの封切館で観た。生まれ育ったのは川崎駅から京浜工業地帯へ向かった中間地点の商店街。近所に二番館(封切り2、3ヶ月後に上映)は3館あったが、めったに封切りは贅沢で縁がなかった。
60年近い歳月が流れても場面や俳優の台詞までまざまざと思い出した。
映画好きのませたガキでした f^_^;)。

拙ブログ「石原裕次郎」関連
川島雄三「幕末太陽傳」2014/05/27
杉浦直樹さん⇨「錆びたナイフ」2011/09/24

dtv
2016年1月21日観映 #161
映劇の芸

2016年1月19日火曜日

是枝裕和×綾瀬はるか「海街diary」

*大毎(ロッテ)ミサイル打線の安打製造機 榎本喜八さん(享年75)が、
エキスパート表彰で野球殿堂入りを果たした___2016/01/18。
張本勲氏の歴代左打者ベスト5「大下弘さん、王、榎本喜八さん、
イチローそして私」笑っちゃうけどなるほどね ^_^)    ×    ×  



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是枝裕和監督×綾瀬はるか主演の映画「海街diary」を観る。
脚本も是枝裕和 / 吉田秋生原作 / 2015年 /

出  演
・綾瀬はるか : 香田幸
・長澤まさみ : 香田佳乃
・夏帆 : 香田千佳
・広瀬すず : 浅野すず
・大竹しのぶ : 佐々木都(三姉妹の母)
・樹木希林 : 大船のおばちゃん
・堤真一 : 椎名和也(医師)
・風吹ジュン  / リリー・フランキー / 加瀬亮 /

鎌倉の古家に暮らす幸、佳乃、千佳の3姉妹の元に、15年前別れた父の訃報が届く。3人は山形での葬儀で異母妹となる14歳の浅野すずと対面する。父を亡くし身寄りのなくなったものの毅然と立ち振る舞うすずに、幸は一緒に暮らそうと勧める。すずは快諾し、鎌倉で4姉妹の生活が始まった。

吉田秋生(あきみ)の人気コミックを「そして父になる」の是枝裕和が実写化した。

しっかり者で母親代わりの長女幸・綾瀬はるか、
酒好きで奔放な次女佳乃・長澤まさみ、
マイペースな三女千佳・夏帆、
健気な四女となるすず・広瀬すずが4人4様のキャラを好演しています。

鎌倉と家族愛そして静謐な描写__小津安二郎作品を彷彿させます。

満開の桜並木のトンネルをすずがサッカー友だちと自転車で疾走するシーンが鮮やかでした。
「駆込み女と駆出し男」(原田眞人監督脚本)を去年観たとき、
鎌倉に行きたいと思ったが未だ実現していない。
今年はぜひ、と思わせるほど古都の四季が描かれていました。

拙ブログ「鎌倉」関連
井上ひさし「東慶寺花だより」2015/06/30
大泉洋「駈込み女と駆出し男」2015/06/24

×   ×  
ところで3000安打の張本さん、
「打撃の神様 川上哲治さんは入らないの?」

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2016年1月18日観映 #160
映劇の芸

2016年1月13日水曜日

池井戸潤「下町ロケット2 ガウディ計画」

*「SMAP分裂・解散ニュース」は朝一番の衝撃でした。
日刊スポーツとスポーツニッポン2紙が伝えました___2016/01/13。
1980/10/21長嶋茂雄監督解任クラスの激震度です。
あのときも上記のスポーツ2紙のスッパ抜きでしたな。    ×    ×














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池井戸潤著「下町ロケット2 ガウディ計画」(小学館)を読む。

目  次
第一章 ナゾの依頼
第二章 ガウディ計画
第三章 ライバルの流儀
第四章 権力の構造
第五章 錯綜
第六章 事故か事件か
第七章 誰のために
第八章 臨戦態勢
第九章 完璧なデータ
第十章 スキャンダル
第十一章 夢と挫折
最終章 挑戦の終わり 夢の始まり

ロケットエンジンのバブルシステムの開発により倒産危機を乗り越えてから数年____佃製作所はまたしても窮地に陥っていた。
量産を約束していた日本クラインとの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジン開発ではNASA出身の椎名社長率いるサヤマ製作所とのコンペを余儀なくされる。コンペに敗れれば、帝国重工との取引を失い経営上の大打撃となる。
そんな折、かつての佃製作所にいた真野から「ガウディ」という心臓に埋め込む人工弁の開発依頼が持ち込まれる。

TVドラマを観ていた。
土屋太鳳ちゃん、本じゃ出てこないんだよね、阿部ちゃんの娘役。
女優さんがいないとドラマは寂しいから花を添えるキャスティングなのだろうか。
原作とドラマは違うからね。

前作の「下町ロケット」と同様で痛快です。
中小企業の技術屋が驕れる大企業、白い巨塔の鼻を明かす。
勧善懲悪パターンは池井戸潤さんの十八番(おはこ)かも。

あたしゃ佃航平が次郎長親分に見えてきたよ。
佃製作所は清水一家です。
経理部長の殿村と技術開発部長の山崎が大政と小政だな、さしずめ。

拙ブログ「池井戸潤」関連
「銀行総務特命」2014/03/20
「下町ロケット」2013/12/02

2016年1月11日読了
読書の轍
 

2016年1月12日火曜日

石原裕次郎「鷲と鷹」

*三谷幸喜脚本×堺雅人主演のNHK大河ドラマ「真田丸」
初回視聴率(関東地区)は19・9%と上々スタートとなった。
徳川家康を首を掻っ切る寸前まで追い込んだ真田信繁(幸村)は、
戦国武将きっての強者(つわもの)ではなかろうか。   ×    ×                                          


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石原裕次郎主演の映画「鷲と鷹」を観る。
井上梅次監督脚本 / 日活1957年 /

出  演
・石原裕次郎:千吉
・三國連太郎:佐々木
・浅丘ルリ子:明子
・月丘夢路:朱美
・長門裕之:吾郎
・二本柳寛 / 沢村国太郎 / 西村晃 / 柳沢真一 / 安部徹 /

深夜の波止場で貨物船「海洋丸」の機関長が殺された。凶器はシンガポール産のナイフと判明した。犯人は分からないまま出航する間際、千吉と佐々木という男が船に乗り込んで来る。船員の補充は一人だが、その座をめぐり殴り合いの大げんかとなった。結局、二人が採用され「海洋丸」は香港に向かった。

石原裕次郎と三國連太郎の初共演。
17歳の浅丘ルリ子が魅力的に輝いている。
対照的に井上梅次の妻でもある月丘夢路は妖艶さをふりまく。

ウクレレを弾きながら裕次郎が歌う主題歌が懐かしい。
♪ 海の男は行く 強者(つわもの)は行く
   波が騒ごうと 笑って行くが
作詞:井上梅次  作曲;萩原忠司

井上梅次監督×石原裕次郎主演の映画
・「勝利者」1957年
・「鷲と鷹」1957年
・「嵐を呼ぶ男」1957年
・「明日は明日の風が吹く」1958年
・「素晴らしき男性」1958年

拙ブログ「石原裕次郎」関連
川島雄三「幕末太陽傳」2014/05/27
杉浦直樹さん⇨「錆びたナイフ」2011/09/24

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2016年1月11日観映 #159
映劇の芸

2016年1月5日火曜日

市川崑×長谷川一夫「雪之丞変化」

*1000本突破おめでとうございます__と賀状が届き、初めて知った。
当ブログの記事数が昨年1000を超えたことを。今回更新で1045。
国民栄誉賞の長谷川一夫さんは生涯の映画出演300本超。
比べるべくもないが、積み重ねた駄文にも愛着がわく。    ×    ×  













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市川崑監督×長谷川一夫主演の映画「雪之丞変化」を観る。
三上於菟吉原作 / 脚色:伊藤大輔、衣笠貞之助 / 和田夏十脚本 /
長谷川一夫300本記念作品 / 大映1963年 /

出  演
・長谷川一夫:中村雪之丞 / 闇太郎
・山本富士子:お初
・若尾文子:波路
・中村鴈治郎(二代目):土部三斎
・市川雷蔵:昼太郎
・勝新太郎:島抜け法師
・船越英二:門倉平馬
・林成年 / 柳永二郎 / 市川中車 / 伊達三郎 /

上方歌舞伎の人気女形 中村雪之丞は江戸下りの初舞台で元長崎奉行の土部三斎一味の姿を捉えた。雪之丞の父は長崎の大店の主人だったが、三斎一味に抜け荷の濡れ衣を着せられ自死に追い込まれた。仇討ちを誓い剣技を磨いて来た雪之丞は、目の前に現れた敵に復讐の炎が燃え上がった。

長谷川一夫は1935年から1936年にかけて前名の林長二郎で、
同名作品を衣笠貞之助監督で3作撮っている。
今作の冒頭で流れる東海林太郎「むらさき小唄」は当時の主題歌。
最後の語りは徳川夢声と洒落た演出も一興だ。

大映オールスターだ。
俳優を観ているだけで愉しい。
雪之丞に想いを寄せる女優は山本富士子と若尾文子で、
闇太郎の引き立て役の昼太郎は市川雷蔵ときて、
勝新太郎も船越英二も登場する。

長谷川一夫の花道を飾るキャストで、
市川崑の演出も稀代のスターをより美しく魅せている。

・長谷川一夫(1908年-1984年)
1927年(昭和2年)「稚児の剣法」で映画デビュー。1963年「雪之丞変化」の後に同年の「江戸無情」で銀幕を去っている。出演映画はほとんど主演の永遠の二枚目俳優だった。

拙ブログ「市川崑」「長谷川一夫」関連
「ビルマの竪琴」2015/11/10
「黒い十人の女」2015/12/13
「地獄門」2015/05/17

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2015年1月4日観映 #158
映劇の芸