2013年7月4日木曜日

「中原中也の手紙」展―安原喜弘へ

@神奈川近代文学館:裕次郎の「骨」が脳裏によみがえった。   

 『「中原中也の手紙」展―安原喜弘へ』を横浜・山手の港との見える丘公園内の神奈川近代文学館で観る。開催=2013615日~84日。  


  
 30歳で夭折した詩人中原中也(なかはら・ちゅうや=1907年―1937年)が友人の安原喜弘(やすはら・よしひろ=1908年―1992年)に送った手紙102通をもとに、ふたりの交流とともに中原中也の軌跡を追う展示会。  

中原が初めてその仮借なき非情な風貌を 
私の前に現わしたのは昭和三年秋のことであった。
――「中原中也の手紙」から  

1928年(昭和3年)の出会い、死別は1937年。
10年足らずの付き合いで102通。
お気軽メールの時代じゃないから、
中也は筆まめだったのだろうね。

中也の詩に「骨」というのがある。  
――ホラホラ これが僕の骨だ/生きていた時の 苦労にみちた…… 
なんと石原裕次郎が歌っているのだ。
作曲は伊部晴美。
裕次郎が中也の詩を好み、
曲をつけてもらったという話をどこぞで読んだことがあるが、
はて何時(いつ)のことかうろ覚えですな。
しみじみした曲だった。
展示を観ながら裕次郎の歌う「骨」が脳裏でよみがえりましたぞ。 

汚れっちまった悲しみに  
今日も小雪の降りかかる 
汚れっちまった悲しみに 
今日も風さえ吹きすぎる 
――「山羊の歌」から 

201372日観覧
美博の館#24
 
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