マリー・アントワネットといえば、優美で浪費家でヴェルサイユ宮殿で暮らし、フランス革命で断頭台の露と消えた王妃――なんてイメージしか持ち合わせていない男が、横浜駅東口のそごう美術館で「マリー・アントワネット物語展」を観る。開催2012年9月15日~11月18日。
★マリー・アントワネット(1755年―1793年)
フランスの歴史上で最も愛され最も憎まれた王妃。神聖ローマ帝国皇帝フランツ・シュテファンとマリア・テレジアの末娘として生まれ、14歳で輿入れ。その美貌と気品で民衆から熱狂的に愛されたが、その後の贅沢三昧で貧しさと飢えに苦しむ大衆から憎まれながら、フランス革命の渦に巻き込まれ、37歳の若さでギロチン台で断首刑となった。
王妃ゆかりの家宝や絵画、工芸品なぢ史料約120点のほか再現した宮廷衣装を展示、ライフスタイルやファッションの焦点をあてながら彼女の人生をたどる。
本展構成
・プロローグ:~ハプスブルクからフランスへ、14歳のプリンス~・第1章:ヴェルサイユの華~フランスが恋した王妃~
・第2章―1:彼女の愛した美~マリー・アントワネット様式~
・第2章―2:彼女の愛した美~ファッション~
・第3章:はかなく散った永遠の王妃
× × ×
「パンがなければ、お菓子を食べればいい」という言葉をアントワネットが吐いたといわれるが、どうやら敵意や悪意の満ちた作り話らしい。
一般大衆の気持は移ろいやすい。熱しやすく冷めやすい。冷めた後に憎しむに変わることもある。美しい愛すべき王妃が悪女になった。
アントワネット自身は変わらなかった。変わったのは一般大衆の心だったと推測する。
悪女より過激な『毒婦』という言葉がある。
「毒婦高橋お伝」(1958年)なんて、えらく昔、映画があった。ガキのころ観た。アダルトっぽい内容だったな。エログロで売った新東宝の大蔵貢さんの製作だから……。物語では、お伝も何人もの男をたらしこみ毒牙にかけたが、実際は薄幸な女だったそうな。
毒婦の方が一般大衆には面白い。一般大衆の興味から話が生まれる。
虚構が毒婦を作った。
2012年9月25日観覧
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