2012年6月14日木曜日

松島や ああ松島や 松島や

大自然の美に俳聖も圧倒されたのでは……。

球聖といえばタイ・カッブ。
楽聖といえばベートーベン。
そして、俳聖といえば松尾芭蕉。

俳句の第一者、芭蕉の代表作といえば「奥の細道」となりますが、
「奥の細道」には、松島を詠んだ芭蕉の句はないそうな。

松島の絶景に匹敵する句が浮かばなかったのか、
詠んだが、その句の出来に俳聖のプライドが許さず記載しなかったか。

この奥羽・北陸の旅に同行した門弟の河合曽良が、
『松島や 鶴に身をかれ ほととぎす』という句を残しています。

件(くだん)の『松島や ああ松島 松島や』の芭蕉作は俗説(偽説)とか。
江戸時代後期、相模の狂歌師・田原坊さんって方が創った
『松島や さて松島や 松島や』が後世に芭蕉作と誤伝されたようですな。

×  ×  ×

松島はあいにくの雨でした。
610日早朝、午前5時前。
泊まった宿「一の坊」の温泉に浸かりながら、松島湾に点在する島々を眺めました。
小雨に煙る島影はまさに一幅の水墨画を思わせる風情でした。
なんと贅沢な時――。

芭蕉が松島を訪れたのは、323年前の同じ時期。
元禄2年(1689年)59日。
新暦なら625日とか。
快晴と伝えられています。
眼前にとてつもない松島の絶景が広がったことでしょう。
圧倒的な美しさ。
大自然美との対峙――。
俳聖は勝負を避けたのだと想像します。

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