2011年5月1日日曜日

与勇輝展:横浜高島屋

生き生きした造形は昭和を表現
 人形に昭和の郷愁が息づいていた。横浜西口の高島屋8階ギャラリーで開催している「昭和・メモリアル 与勇輝展」(2011年4月20日~5月9日)を観る。懐かしい昭和を題材として造形した57点、代表作を加え100余点を展示している。与勇輝(あたえ・ゆうき)さんは1937年(昭和12年)生まれの人形作家。
 本展で最初に目にするのが「和枝ちゃん」という人形だ。横浜・磯子の魚屋さんの歌の上手な女の子。おでこが特徴か。あの昭和戦後史に欠かせない存在、国民的歌手・美空ひばりさんになる前の幼少期を造形した人形だ。
 昭和天皇、マッカーサーも登場し、その面ざしは似ている。
 少年が妹と思しき少女をいつくしみ抱くようにした人形が2,3点あった。どこか野坂昭如さんの「火垂るの墓」を連想させ、感傷的にさせられる。
「召集令状」という作品。袴の祖父、ヘルメットで敬礼する弟、その横で学生帽の兄、「召集令状が届き出征する夫、そして妻は横に並んでいる。お国のためと気丈にふるまう家族だが、心の中は複雑……。

 与さんは8歳で終戦を迎えた。空襲により焼け野原となった街の情景や、戦後間もない食糧難や貧しい時代の記憶に残る様を人形に託したのだろうか。

×  ×  ×

 実は4月21日(木)に一度のぞいたのだが、超満員で観るのをやめた。今回は2度目のトライアル。11時前に入場したが、大盛況でしたぞ。
 昆虫採集の子どもたちの人形――少年がバッタを手に掴んでいた――の前。
 ご高齢な女性の会話が聴こえてきた。
「バッタでしょう、あの手にあるの」
「イナゴよ、あれってよく食べたわよ」
 昭和22年、戦後生まれで鯨を食べ、脱脂粉乳の給食を経験しているが、さらに上の世代の食糧難はいかばかりか(笑)。
2011年4月30日観覧

人気ブログランキングへ※「草野球音備忘録」はランキング参加中です。投票(クリック)にご協力ください。
にほんブログ村 シニア日記ブログ 団塊の世代へ※こちらも、クリックお願いします。

0 件のコメント:

コメントを投稿