忘れると怖いバー「茗荷」
東野圭吾の「ダイイング・アイ」(光文社文庫)を読む。
文庫のキャッチフレーズ――許さない、恨み抜いてやる。しかし、加害者は忘れていた。東野圭吾だから書きえた「悪い奴ら」――。
カクテルバー「茗荷」のバーテンダー雨村慎介は閉店後に頭部を強打され、瀕死の重傷を負った。数日後、病院のベッドで意識を取り戻したが、記憶の一部が欠落していることに気付いた。どうやら以前に交通事故を起こしたらしい。
慎介を襲った犯人は、慎介が関わった交通事故で死亡した女性の夫、マネキン制作職人の岸中玲二だった。玲二は服毒自殺していた。
慎介は失った記憶を取り戻そうと、事故のことを調べ始めた。
そんなある日、「茗荷」の慎介のもとに喪服の美女が現れた。「ヘネシーくださる?」。女はフルートのような声で注文した……。
× × ×
「茗荷」(みょうが)を食べる過ぎると物忘れがひどくなる、ってホントでしょうか。好きで、夏には冷や奴の上にかけて食べています。人の名前が思い出せず、「あれだよ、あれ」なんていっちゃぁカミサンにバカにされています。これって『ボケ』で、茗荷のせいではありませんね。
忘れられないこと。忘れるなんて絶対にできないこと。いや死んでも忘れられないことが、人間にはあるようです。
加害者は忘れがちだが、被害者は決して忘れない。バーの店名「茗荷」は、物語を暗示していていますな。
ホラーっぽい作品ですね。謎の美女の目が怖いですねぇ。
2011年2月19日読了
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