「耀彩」を放つ藍青色の磁器
伝統の九谷焼に新しい色彩表現を確立した重要無形文化財「彩釉磁器」保持者、三代徳田八十吉の没後初となる回顧展――*「追悼人間国宝 三代徳田八十吉展~煌めく色彩の世界~」(2011年1月2日~2月13日)を横浜駅東口・そごう美術館で観る。
三代徳田八十吉は、1933年、石川県小松市の九谷焼窯元に生まれる。金沢美術工芸大学短期大学工芸科陶磁専攻中退。祖父、父の二代にわたる八十吉に師事。1988年に三代を襲名。1993年紫綬褒章受章。1997年重要無形文化財「彩釉磁器」の保持者(人間国宝)に認定される。2009年8月に亡くなっている。初名は正彦。
三代の特徴はその色彩にある。
35歳で独立し、伝統的な九谷焼の色絵技法に飽き足らず、古九谷5彩のうちガラス成分のない赤を除いた紺、紫、緑、黄の4彩を組み合わせ数百もの色を作り出し、独自のグラデーションによる「耀彩(ようさい)」と呼ばれる鮮やかなに輝く色彩の作品を生み出した。
本展では、三代徳田八十吉の修業時代から代表作まで約70点、初代、二代の作品も展示し、古九谷釉薬の系譜を辿っている。
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「出藍」という言葉を思い出しました。青色の染料は藍から取るものだが、もとの藍の葉よりも青くなるところから、弟子が師よりもすぐれた才能をあらわすたとえです。「出藍の誉れ」ともいう。
三代は初代から古九谷釉薬を、二代から現代陶芸を学びましたが、師を超えた色彩を生み出したのです。「藍青色」が鮮やかに煌めいていましたぞ。
ちなみに四代は、三代のご長女が襲名しているそうだ。
2011年1月22日観覧
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