2010年3月11日木曜日

大観と栖鳳:山種美術館

キャッツアイが魅力の「班猫」

 キャッツアイに魅せられた。あの猫は何を凝視しているのだろうか。緑色の瞳が生きている栖鳳(せいほう)の「班猫」(はんびょう)――。

×  ×  ×

 東京・広尾の山種美術館で「大観と栖鳳―東西の日本画―」展(2月6日~3月28日)を観る。明治、大正、昭和を通じて、東京と京都の画壇で活躍し、日本画の革新に努めた横山大観と竹内栖鳳の画業を振り返るとともに、二人の周辺の画家たちの作品を展示している。見応えの50余点が並ぶ。

 草球の目を引いた作品
東京画壇
・横山大観:「燕山の巻」「作右衛門の家」
・下村観山:「老松白藤」
・安田靫彦:「出陣の舞」
・伊東深水:「婦人像」

京都画壇
・竹内栖鳳:「班猫」(重要文化財)「蛙と蜻蛉」
・上村松園:「新蛍」
・村上華岳:「裸婦図」

×  ×  ×

 大観の「燕山の巻」は17メートル余の大作。隅々まで手を抜かぬ筆遣いに感心した。それにしても、こんなに大きな作品とは思っていなかったなぁ。安田靫彦の「出陣の舞」は、形勢不利な今川義元との桶狭間の戦さに、幸若舞「敦盛」を舞って臨む姿を描いている。史実と重なり興味深い。
 伊東深水「婦人像」は木暮実千代を描いたもので、映画で何度も観た女優さんで親近感が沸いた。ちなみに朝丘雪路は深水の娘。
2010年3月11日観覧

0 件のコメント:

コメントを投稿